第7話 言葉選び

 文章を書いていると、会話をしている時以上に言葉選びに気を使う。

 昨日の記事も冒頭の部分で

「お話を料理とするならば…」

 と書いたが、

 最初は「物語を料理とするならば…」と書いていた。

 そっちの方がなんかカッコいいし。

 でもここで止まった。

「あれ?ボクが書いているのは小説って言うんじゃないかな?」

「ってか、小説と物語の違いってなんぞや?」

 と迷ってしまった。

「小説」と「物語」の違いをネットで調べてみたが、イマイチよく分からなくて、

「じゃあ「お話」でいいや!!」

 というふうに落ち着いた。


 いざ文章を書いてみると、

「この言葉は適切なのだろうか?」

 と立ち止まってしまう。

 会話なら絶対に気を使わないのに。

「お話」でも「物語」でも「小説」でも、そのときに思い浮かんだ言葉を口にしていると思う。



 先日も、「大事」か「大切」のどちらを使うかで迷った。

 どちらを使っても、ボクの伝えたいことはだいたい読み手に伝わると思うのだが、なるべく適切な方を使用したい。

 この場面にふさわしい方を選びたい。

 そんな気持ちが湧いてくるのだ。


 他にもたくさんある。 

 ・「調べたが」「調べてみたが」

 ・「~だろうか」「~なのだろうか」

 ・「~は」「~が」 ←これ究極

 書き終えた文章を読み返して、

「うん?これだと読みづらいぞ。ここで引っかかるぞ」

 とまたそこで考え込んでしまう。

 

 言葉選びを悩んでいる姿をあえて例えるならば、一流のフィギュアスケートの選手が指先の動きまでこだわるような、そんな気持ちなのだ。

 言っておく、気持ちだけだ(笑)

 ボクは自分のことを一流だなんてこれっぽっちも思っていない。


 「大事」か「大切」で悩むなんてボクだけかもしれない。

 でも今のボクにとっては悩みの種であることに間違いないのだ。


 ちゃんと理解できる文章を書かなければいけない。

 読みやすい文章を書かなければならない。

 これが文章を書く人のするべきこと。

 それでやっとスタート地点。

 その上で、読み手を引き付ける文章を書かなければならない。


 書けば書くほど、ハードルは上がっていくばかりだ。

 先が思いやられる。

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