第6話 悪役
お話を料理とするならば、「悪役」は何に当たるだろうか?
メインディッシュ?いや、それは違う。
ボクの中でメインディッシュは「主人公」だ。
じゃあ肝心の「悪役」なのだが、ボクはスパイス的な存在だと思う。
料理全体をメリハリのある味にさせてくれるからだ。
また主人公に対して、怒りや悲しみなどの心に葛藤を与え、そして主人公を成長させる。
より深みのある味わいにしてくれるのだ。
そう考えると「悪役」という存在は、やはりお話には必要になってくるのかな?と感じる。
ネットで調べてみたら「必要悪」という言葉も存在するらしい。非情に面白い言葉だ。
じゃあボクも「悪役」を登場させよう!!と思ったのだが、ちょっと困ったことになった。
いざ「悪役」を登場させようにも「悪役」ってどう書けばいいんだろう?と。
「悪役」とは基本、悪人と位置づけられるものだ。
ボクはもういい年こいたおっさんだが、幸運なことに悪人には出会ったことがないのだ。
なぜなら、ボクが日常生活で出会う「悪人」というのは、「自分にとって都合の悪い人」であるからだ。
都合の悪い人っていうのは、立場上、嫌なことを言わざるを得ない人もそれに当てはある。
嫌なこと(厳しいこと)を言ってくるのだが、その言わざるを得ない立場から外れると、
「本当は俺もあんなこと言いたくないんだけどさぁ」
なんて言葉をこぼしたりする。
その一言を聞いてしまった時は、なんだか急に切なくなって同情してしまった。
じゃあ思い切って「絶対悪」というものを登場させてみるのはどうか?
いや~、それは無理だ。
とてもじゃないが内面を表現できないし、どんなことを考えているのか全く分からない。
登場させても薄っぺらくなってしまい、ただの胸クソなお話になってしまいそうだ。
こうやって考えてみると、ボクが作るお話で「悪役」を登場させることになるのは、まだまだ先になりそうだ。
もし登場させたとしても、主人公にとって都合の悪い人である可能性が高そうだ。
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