第2話 妹 考察
僕の名前は久留美秀人。
妹の名前は久留美小百合。
三つ年下の妹は久留美家の末っ子で三番目の子である。
両親が願っていた待望の女の子であり、一番下の子ということもあって、可愛がられて育った。
特に父は、兄と僕へのものを足しても足りないくらいの愛情を小百合に注いでいた。欲しいと言う前に好きそうなものは買い与え、必要だと感じれば多用な学習の機会を与えた。
その愛情を栄養に、小百合は健やかに育っていった。
整えられた環境で成長したせいか、小百合は真っ直ぐいい子になっていった。その反面、天然なところはあったが、周囲からはそれが好意的に見られた。
素直な小百合はなにかを頑張るという好意を、純粋に褒められた。その為か、努力そのものにストレスを感じていないようだった。
勉強すれば賢くなれる、それが楽しい、と単純に思える子だった。
周りから悪い影響を受けることもなく、小百合はまるで物語の主人公のように、太陽のような明るい子だった。
いじめもなく、健やかに育ったらしい。
器用な人間ではなかった為、その努力が抜きん出て、人より優れた結果を出せるということはなかったが、それが逆によかったのかもしれない。それで結果も出ていれば、周りから嫉妬されていたかもしれない。
順位や優劣にこだわることなく、自分のできることが増える楽しさを見出せた小百合には、そういった環境、体験が全部いい方向へ進んでいった。
僕から見た小百合はそんな活発な女の子で、歳が三つ離れていたことや、性別が違ったこともあり、日常生活や交友関係については詳しくはわからない。
順調に進学をしていった小百合は今、会社で働くため、一人暮らしをしている。
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