第9話 カクテルの王様『マティーニ』

 という事で、今回ご紹介するカクテルは、ステアで作るカクテルの最たるもの、『マティーニ』です。


 マティーニは大雑把に言うと、『ジン』という蒸留酒と『ドライ・ベルモット』というフレーバードワインを合わせた“だけ”のカクテルです。そこに、オリーブを添えたりレモンピールを搾って香り付けしたり、ジンとベルモットの比率を調整したり、色々と幅のあるカクテルです。


 基本の比率は、ジン:ベルモットが45cc:15cc。それをミキシンググラスに氷と共に注ぎ、ステアで冷やしつつ混ぜて、よく冷えたカクテルグラスに注いで出来上がりです。





 なぜこのカクテルが『カクテルの王様』とまで呼ばれるのか、それは様々な逸話があるからです。


 映画 007《ダブルオーセブン》では、主人公ジェームス・ボンドが注文していた『ボンド・マティーニ』が有名です。

(ジンではなくウォッカで。ステアではなくシェイクで。と注文してました。)


 また、イギリスの元首相のウィンストン・チャーチルが愛飲していたのが、『チャーチル・マティーニ』です。

(よく冷えたグラスにジンだけを注ぎ、ベルモットは瓶で置いて、横目でチラ見しながら飲む、辛口カクテル。)


 その他にも様々な逸話やカクテルメイクがありますが、それだけ様々な人たちに愛されていたからこそ、『カクテルの王様』として君臨してきたのでしょう。






 もしカクテルメイクに自信が出てきましたら、これらのマティーニを作ってみてはいかがでしょうか。


 単純ながら奥深い、カクテルの深淵が見えますよ。

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