第21話 遠のけば光。近づけば岩。

「おいぃぃぃ、何だこりゃあ!?」



 見渡す限り、木で覆われている場所に草玄が今いるのは、ジャングル地帯。

 武闘大会の開催場所であった。



『我が国の武闘大会はそこら辺の星とは違うでな。むほほほ』



 選手の待合室に黄色いサンタがやって来たかと思えば、それはこの星の国王(男)、センダバディッチであった。彼は目の前に立つ選手たちに告げた。



『そなたたちを罠が待ち構えているジャングルに連れて行くでな。そこからこの待合室に最初に戻って来た者が優勝である』



 邪魔者退治もありでの、無論、殺生はなしじゃが。



 センダバディッチはそう告げた後、むほほほほと笑いながら、白い袋、ならぬ、白いマントを翻しながら去って行ったのだ。


 それから程無くして、選手たちは各々の車で各地点に連れて来られた。




***




 草玄の場合。


 絶叫し疾走する彼の後ろから襲いかかってくるのは。


「木になるかい?木になるかい?」


 複数の根っこを器用に動かしながら滑走する、目と鼻と口がある木々であった。


「誰が木になるかー!!」


 草玄の絶叫をよそに、木々たちは魅惑の呪文を唱えた。


「木はいいよ。空気と水と土があれば生きて行ける」

「木はいいよ。長生きできる」

「長生き?」


 草玄は目を光らせ、顔を後ろに向けて木々たちを凝視した後、ふっと、笑みを溢した。


 長生きできるのならば、贅沢は言わない。が。


「葵と手が繋げないじゃねぇかー!!」


 四肢は必須。二肢でも可だが、腕二本でなければ嫌だ!


 草玄は力の限り、遁走しまくった。






 葵の場合。


「花になるかい?花になるかい?」


 自分と同じくらいの大きさのラフレシア(口があり、蠅などの虫を食べる)複数に囲まれていた。


「花はいいよ。自分たちで交配しなくていい」

「虫たちが運んでくれるもの」


 徐々に距離を縮めて来るラフレシアに、葵はポリポリと頬を掻いた。


「うん。子どもを産む前なら、花になっていたかもしれないけど。今はいいや」


 まさか拒まれるとは思わなかったのか。ラフレシアたちは涙の代わりに口から唾液を滴り落とした。傍目から見れば、食料を前に我慢しきれずよだれを垂らす植物妖怪の図である。


「じゃあ、何になりたい?何になりたい?」

「え」


(何になりたいって言われても、もうなりたいものにはなってるしな)


「不死の力をなくしたくない?なくしたくない?」


 めそめそと泣き続けるラフレシアの次なる質問に、葵は口の端を上げて答えた。


「なくしたくない」


 その瞬間。ラフレシアたちは雷に打たれたような感覚に陥った。


「どうして?どうして?」

「いや。生きたいだけだし」

「それだけじゃないでしょ?ないでしょ?」

「いや。それだけだけど」


 不可解――。


 二発目の雷に耐えられるものはいなかった。次々と地面に倒れて行くラフレシアたち。葵は何だったんだと首を傾げながらも、選手待合室へと向かった。






 その他の者たちの場合。


「川になるかい?川になるかい?」


 水の雫がふよふよと宙を浮いて襲ってくる。炎で蒸発させて、危機を脱す。



「蛇になるかい?蛇になるかい?」


 大人が十人ほど呑み込めそうな巨大蛇が襲ってくる。蛇の天敵、マングースを百匹召還して危機を脱す。



「蟻になるかい?蟻になるかい?」


 普通の蟻が襲いかかってくる。手元にあった飴を放り投げて危機を脱す。



「闘わないかい?闘わないかい?」

「いいだろう。いいだろう」


 選手同士がぶつかる。激闘の末、勝った選手が負けた選手を背負い走り出す。





***




「やっぱ、俺たちは運命の赤い糸で繋がれていたんだな。だな」

「草玄。口癖が移ってるよ」


 何とか木から逃げ延びた草玄は最初、葵しかその瞳に映していなかったのだが。


「葵。そいつは何だ?」


 葵の隣にいた、目元まで覆い隠す長髪男性(ノースリーブ姿)に気付き、尋ねた。


「捜し人」

「…サガシビト。変わった名前だな」

「槇だよ。私の好きな人」


 テクテクポーン。


「ドィウレ!?」


 草玄の身体に雷が走った。


「嘘だ!早過ぎだろ!もっと、何つうか!幾つかの星回った後にやっと見つけたぜ。みたいな感じだろ!」


 葵は呆れた。


「草玄。世の中そんなドラマチックな展開にはならないから。大体長引くと飽きるでしょ」

「俺たちもうグダグダじゃん!」

「あ〜。会談中悪いのだが。拙者。早くここから出たいでおぜる」


 手を上げながら進言する槇に、草玄は突っ込みを入れた。


「おぜるって何だよ!ござるか?ござるの間違いか?」


 こんなふざけたやつが?間違いであってほしいと、草玄は切に願ったが。


「拙者。ここから出て早く高級寿司を食べに行きたいのでおぜる」

「分かった。分かった。じゃあね、草玄」


 葵が。あの葵が自ら槇(男)の手を繋いだ事に。

 間違いではないと思い知らされたのだ。


「俺でさえ、葵から手を繋がれるなんて事。滅多になかったのに」


 やりようのない怒りは槇に向けられた。

 草玄は飛び跳ね、背を向ける槇の脳天目掛けてチョップを食らわそうとした。

 槇はそれに気づき、振り返って、草玄の片手を白刃取りしようとした。




***




「葵。ちと非道ではおぜらんか?」

「真剣勝負に非道も何もないわ」


 気を失った草玄を背負いながら疾走する槇は、隣で同じく疾走する葵に呆れ返った。


 あの時、怒り心頭に来ていた草玄のチョップを見事白刃取りできなかった槇。目玉が飛び出すかとの衝撃で地面に転げ回る中、視界の端に映ったのは、見事チョップを食らわして気が緩んだ草玄の腹に拳をねじ込む葵の姿であった。



 ずきずきと頭が痛む中、槇は口を開いた。


『私の為に不老不死になろうとしている莫迦を止める為に付き合って』


 高級寿司と引き替えに付き合う事を快諾したわけだが。



「愉快なこやつなら不老不死になっても大丈夫でおぜろう」


 そう言うや、槇は葵に睨まれた。


「あなたや私みたいなのは稀なの。稀。誰もが最初はイヤッホーよ。でもそのうち必ず死にたくなる」

「死にたくさせなければいいでおぜろう」

「…あなたってほんと楽観的よね」

「お主が悲観的過ぎるのでおぜるよ。もっと浮つかせた方がいいでおぜる」

「浮ついて後悔するくらいなら、沈んだままでいいわよ」


 葵はそう呟くや、疾走を加速させて、見る見るうちに距離を広げた。






「だそうだが、どうするでおぜる?」


 葵の背が小さくなる中、槇は気絶しているであろう草玄に話しかけた。身体が僅かに動いたかと思えば、草玄は槇の肩に寝かしていた頭を起こした。


「面倒な事に巻き込んで悪かったな」

「高級寿司で事足りる事項だった故、気にするなでおぜる」

「なぁ、あんたも本当に不老不死なのか?」

「ああ」

「不死か?不老不死なのか?不老なのか?」

「不老不死でおぜる」

「何でそうなった?」

「星を丸々一つ破壊させた罪ででおぜる」


 草玄の顔は強張った。


「星って。人はいたのか?」

「百人ほど」

「死んだのか?」

「そうでおぜる」

「下ろせ」


 槇は素直に応じて立ち止まった。草玄は槇の前に立ち、彼を見据えた。


「殺したくて殺したのか?不慮の事故だったのか?答えろ」

「前者だったら?」

「知りたいだけだ」

「不慮の事故でおぜる」


 草玄は目元に入れていた力を緩めた。


「…そうか。葵とは何時知り合ったんだ?」

「裁判所で」


 槇は息を吐き出した。


「不老不死は禁忌。それを使う者は赦されないと。彼女はその裁判所をなくしたでおぜる。でも、彼女が辿り着く前に拙者はその実を食べてしまっていた」



 その事実を知った彼女の泣きそうな顔は、今でも忘れられない。

 一方、前半部分に注目した草玄は目を丸くした。



「なくしたって。裁判所だぞ。そこらへんの店じゃねえのに。どうやって……葵の後ろには誰か権力の持つやつがいるって事か?」


 槇は肩を揺らした。


「まぁ、長年生きていれば、そういった伝手も作る事ができたのではおぜらんか?」

「…俺って。葵の事、あんま知らないんだな」


 気落ちする草玄に、槇は問いかけた。


「気付かないでおぜるか?」

「気付く?」

「お主は不老不死の力を捜している。だが葵も捜し続けている。葵が一つも集めていないとは思えないでおぜろう」



 草玄は言葉を失った。

 灯台下暗しとは言ったもんだと、目元を手で覆った。

 が同時に合点が行った。

 そもそも不老不死の力など、そうそう見つからない代物。

 だがそれが近くの場所に、それこそ手元にあって、不老不死になりたいと言う自分の願いを叶えられたとしたらどうだ?

 容易に叶えられるからこそ。

 あんなにも頑なに拒んでいたのだ。


(それなら尚更孔冥になんとか協力してもらえば…)



「後悔しないでおぜるか?」


 一瞬、何を問われているのか分からなかった草玄であったが、直ぐに思い付き、口の端を上げた。


「後悔はしない。絶対に」


 葵は『絶対』と言う言葉を頑なに信じないだろう。

 だが、『絶対』というものも、確かにあるのだ。


「あいつとなら、俺は絶対になれる」

「あやつが素直になれる日が来るとは思えないでおぜるが」


 槇は口元を綻ばせた。


「お主が願いを叶えられない事も考えられないでおぜるな」


 こんなにも自信に満ちた言葉を吐き出す男は稀。

 ならばきっと大丈夫だ。


「拙者も及ばずながら力になるおぜるよ」

「ああ。ありがとな」











「優勝した選手は供物として神様に差し出される、ですか」


 数時間前。空と孔冥、ラキ、咲、サラたちの前に現れたのは、空から名刺を受取った女性、この国の第一王女であり、パンドラ地帯に住む神様に供物として連れて来られるように指名された女性であった。


 そして、彼女の父親でありこの国の王、センダバディッチが娘を差し出さずに済むよう、なんとか妥協案を探ろうとした結果、今回の武闘大会の優勝者で落ち着いたというわけである。


 孔冥はにこりと、誰もが凍りつくような笑みを浮かべて、見下ろした。


「神様のくせに何を莫迦な事をしているのでしょうかね」

「だってさー。誰も来なくてさー。暇だったわけよー」


 神様と呼ばれた三つ編みで垂れ目の男性は寝転びながらそう告げた。



――パンドラ地帯。


「それによー。時々神様の存在も知らせないとー。いけないじゃんー。調子に乗るなってよー」

「それは否定はしませんが。時期ではないのに暇だからと言うくだらない理由で神の品位を落とさないでください」


 神様は口を尖らせた。


「こんな処で一人でいてみろって。周りは白ばっか。つまんねー」


 確かに。見渡す限り白一色。地面も植物も空さえも。何もかもが白で埋め尽くされていたのだ。


「なら絵の具を上げますから色を塗りなさい。クレヨンとマジックと色鉛筆もありますよ」


 孔冥は今言った文房具を神様に差し出した。


「おまえさー。神様に仕えている割には、敬意なさすぎじゃねー?」


 とりあえず受け取った神様はますます口を尖らせた。


「ちゃらんぽらんでいい加減で人に押し付けてばっかの神様にしか出会えていませんからね。残念な事に」


 『残念な事に』を強調した孔冥。神様は欠伸を出しながら、そうかもねーと呑気に告げた。孔冥は頭が痛くなってきた。


「で。供物は必要ですか?」

「優勝者、誰?」


 孔冥はちょっと待ってくださいと告げて、携帯電話を取り出し、会場にいる空に電話を掛けた。


「葵だそうですよ」

「うへー。あの子かー。まー。誰もいないよりはましかもなー。死ぬまでいてもらっても、罪悪感に苛まれる事もないしねー」

「罪悪感。暇だという理由で権力を使った神様の発言とは思えませんが」

「そりゃーねー。一応はー」


 神様は起き上がり腕を組み始めた。


「う~ん。ま。じゃあ。一度来てもらおうか~」

「…分かりました」


 神様と共に、孔冥は葵が来るのを待つ事にした。




「一応、君を供物として受け取ったから~。体裁的に一日だけでも一緒にいてもらえる~?」

「分かりました」


 一番に選手休憩室に辿り着いた葵は、優勝の余韻に浸る余裕もなく、こちらに来てくださいとのセンダバディッチの指示の元、車の中に入り、ここに連れて来られたわけであった。


 葵は寝転ぶ神様の隣に腰を落ち着かせたかと思えば、同じように地面に背を付けて寝転んだ。


「全力疾走して疲れたんですよ。無礼講って事で赦してください」

「あ~。いいよ~。俺。気にしない性質だし~」

「葵。はしたない。神様ももっと威厳を持ってください」


 孔冥は寝転ぶ二人を見下ろした。葵と神様は寝転んだままお互いに顔を見合わせた。


「うるさい母ちゃんだね~」

「はい」


 そう言うや、神様はまた白い空を仰ぐ姿勢を取った。


「葵。またおいでね~」

「来たばっかでもう別れの挨拶ですか。気が早いですね」

「ん~。眠るからさ~。とりあえず言い忘れる前に言っとこ~と思ってさ~」


 神様は宣言通り瞼を閉じた。


「葵。電話もらいましたね」

「まぁね」


 神様が眠りに就いて後、葵もまた背を地面につけて目を瞑った。


「草玄でも良かったね。どうせこの星の人間じゃないし」

「今から呼びましょう。久々ですよね。ここでわいわい騒ぐのは」

「うん」


 神様が目を覚ました時、皆が目の前にいたらどんな顔をするだろうか。

 葵は笑みを溢した後、眠りに就いた。






「孔冥君。ちょっとちょっと」


 神様を交えて皆で和気藹々と過ごした翌日の早朝。白い太陽が姿を見せる時刻、皆が寝静まる中、草玄は孔冥を起こし、皆から距離を離した所で口火を切った。


「不老不死の力が隠されている場所。教えてくれね?」


 お願いと。草玄は両の手を重ね合わせた。


「槇から聞いたんですか?でも残念ながら、私も知らないんですよ」

「ほんとか~?」


 草玄は目を細くさせて、じと~と孔冥を見つめた。


「本当ですよ。知っているのは葵のみ」

「神様も知らないのか?」

「あの神様に居場所を知られたらまた撒き散らすだけですからね」


 孔冥は額に青筋を立てた。期待外れだった草玄はがっくりと肩を落とした。


「不老不死になってしまえば、葵も観念すると思ったのに」

「葵に正攻法は通用しませんからね。結婚の時みたいに不意打ちでなければ」

「だよなー」

「まぁ、その前にあんた死ぬけどね」

「だよ…あんた、誰?」


 突然会話に入り込んで来たのは、おかっパーマに肌黒い、背中に翼がある女性、まるで悪魔のような格好をしていた女性であった。


「私の名前はソルティア。魂を管理する死神してまっす」


 ソルティアは八重歯を見せて笑った。


「久しぶりね。孔冥。相変わらず大変そうね」

「私も仕えるなら閻魔大王にが良かったですよ。きっちり仕事をしてくれますから」

「まぁ、中身は頑固おやじだけど」


 ソルティアは周りをきょろきょろと見渡した。


「葵は?」

「あそこで爆睡中です」

「ふ~ん。やるなら今か」


 何処から鎌を取り出したのか。黒く歪曲している巨大鎌を両の手で持って飛び出したソルティアは草玄の制止の行動も意に介せず、一直線に葵の元へと向かった。


「葵。洗濯の時間ですよ」


 ソルティアは宙に浮いたまま爆睡中の葵を見下ろし、「よ」と同時に鎌を彼女目掛けて振り下ろしたが。


「人に物投げるなって教わらなかった?」


 鎌は投げられた携帯電話によって軌道を変えられ、葵から数センチ離れた地面に孤を描いて通り過ぎた。

 鎌の柄を肩に乗せたソルティアは、今自分たちの前に辿り着いた草玄と孔冥を睨んだ。


「葵が不死だから殺そうってか?」


 草玄も負けじとソルティアを睨みつけた。



 不老不死は禁忌の力。

 つまりはこの世に在ってはいけない力だと言う事。

 だとしたら、本来この世に在ってはいけない力を持つ葵自身を、天界、魂を管理する死神たちが殺そうとしてもおかしくはないはず。

 だが。



「俺たちの邪魔をすんな」


 やっと出会えたのだ。こんな所で逃して堪るか。


 一方、草玄と火花を散らし合っていたソルティアだったが、突然、殺気を解ったかと思えば、憐憫の眼差しを向け始めた。


「そんなに葵を想っているのね。可哀想に」

「ああ?」

「…ソルティア。久しぶり」


 むくりと身体を起こした葵は瞼を擦りながら立ち上がった。


「葵。おはよう。早く死んでくれない?」

「てめー」


 にこやかに告げるソルティアに、草玄の怒りは限界に達したが。


「やだ」


 欠伸交じりにそう告げる葵の緩い態度に、毒気が霧消と化してしまった。

 ソルティアは地面に足を着けて、頬を膨らませながら告げた。


「いいじゃない。どうせ生き返るんだし」

「やだ。死んで魂の状態になったら、またごしごし洗うんでしょ。懲りもせずに。痛いんだよ。あれ。記憶を持っていたら」

「普通なら気持ちいいのよ。汚れが落ちると。真っ白になって。葵だって汚れを持ったままじゃ、生き返ってもすっきりしないでしょ?」

「記憶がなくなったら私じゃないじゃん。いや」

「幾ら拒んだって、どうせ死んで私に洗濯されるんだから。早くてもいいでしょ?」

「いい加減さ、諦めない?どうせ落ちっこないって」

「いや」


 ソルティアは胸元に手を置いた。


「私に落とせない汚れがあるなんて、私のプライドが赦さないわ」


「…孔冥。彼女と葵はどんな関係なんだ?」


 二人の会話を傍らで呆然と聞いていた草玄は、同じく傍らにいる孔冥に尋ねた。


「彼女は自ら葵専属の死神になったんですよ。葵の汚れ。つまり、記憶を落とせなかった事がよっぽど悔しかったのでしょうね。彼女は優秀な死神で、葵を任されるまでは、魂にしがみつくどんな頑固な記憶も特製の洗剤と手洗いで落としてきましたからね」


「…魂もリサイクルなのか」

「はい」


 孔冥はそう言うや、青い筒長状の容器を一本何処からか取り出した。


「ソルティア手作りの洗剤です。どんな汚れでも落ちると大評判ですよ」


 孔冥は草玄にそれを手渡した。


「彼女の洗剤に目を付けた彼女の同僚が、下界で創設した洗剤屋は結構繁盛しているらしいですよ。普通の洗濯にも使えますからね」

「へぇー」


 死神が洗剤屋。あんな悪魔みたいな恰好をした死神が、丸い桶に浸った魂をその中でごしごしと手洗いする。桶の前で腰を屈めて、時々よっこらせと背伸びをする。


「…あの鎌は?」


 草玄は鎌を指差した。普通、魂を刈り取るだけではなく、浄化作用もあるのでは?


「あれは魂と肉体を切り離すだけですね」

「あんなにカッコいいのに」


 機能がデザインに追いついていない。勿体無いと、草玄は思った。


「まぁ、いいわ。どうせ死ぬんだもの。その時を強力な洗剤をたくさん作って待っているから」

「死ぬ死ぬ連呼しないでくれないかな」


 葵は嘆息をついた後、何しに来たのと尋ねた。


「こんなにあっさり引き下がるくらいだから、私に用があって来たわけじゃないよね?」

「そう。今日は通常任務で来たのよ」

「…誰か死ぬの?」


 死ぬ人間の前に現れるのが死神。

 つまり、この中にいる人間の誰かが死ぬ。

 空か。璉か。もしくは、草玄、か。

 ソルティアは真顔の葵を一瞥して、草玄を見つめた。


「…俺?」


 草玄は自分を指差して確認を取り、ソルティアが頷いた事により、自分は死ぬんだと思ったが、その死ぬと言う事実に、絶望する事は、なかった。

 草玄は葵に近づいて、彼女を直視した。


「葵。俺、死ぬらしい」

「…うん」


 真顔の彼女。きっと、死ぬのは当たり前だから悲しむ必要はないとか考えている事は、草玄には容易に分かった。


「俺。死にたくない」


 微かに葵の瞳が揺らいだ。


「うん」

「葵。俺にくれ」

「…死ぬから最期に抱かせてほしいって事?」


 そうだと言えばどうなるだろう。同情で抱かせてくれるかも。ふとそんな邪な考えが浮かばないでもないが。

 草玄は小さく頭を振った。


「違う」


 草玄は葵の耳元に口を近づけて、囁くように告げた。


「不老不死の力をくれ」

「……駄目」


 何それと誤魔化すかと思っていた草玄。どうやら今回は、早い閉幕を望んでいるようだと、思った。


(グダグダも、いい加減飽きたもんな)


 それは此方も同じだった。

 草玄は顔を元の位置に戻し、葵をまた直視した。


「くれ」

「駄目」

「じゃあ、貸してくれ」

「駄目」


 草玄はふっと微笑を浮かべた。


「じゃあいい。今回は諦める。けど。ぜってーまた見つける」


 グダグダでいいじゃん。草玄は思い返した。


「無理よ」


 突然会話に入り込んで来たソルティアは悪いけどと、首に手を添えた。


「どう言う意味だよ?」

「あんたの魂はもう肉体に宿る事はない。大体もう宿れない状態で、鬼に食べられる予定だったのよ」


 ぽく。


「はあ!?」


 草玄はこれ以上ないくらい声を荒げた。予想だに出来ない発言に、冷や汗が生じる。


「な。じゃあ。俺」


 世界が回る。違う。回っているのは自分の頭の中?


「あんたの魂を回収次第、即鬼に食べさせる」


 ソルティアは動揺を露わにする草玄に反して、冷静に告げた後、葵に視線を向けた。


「葵。不老不死の力なら、この男は死なずに済む。けど、この機を逃せば、本当にもう会えなくなる」


 それでいいのか?

 口には言わなかったが、葵はそう問われたように感じた。


(…もう、会えない)


 心臓の音は煩くない。だが、小さな心音が確かに強調しているように、耳に届くも。

 動揺は、小さい。

 葵は自身の状態を冷静に把握して後。


「葵。何かあればわしの所に来ればいいだろう」

「神様」


 葵は出鼻を挫いた神様を見つめた。神様はよっこらせと身体を起こした。


「生きたければ生きればいいだろう。死にたければ死ねばいいだろう。己の生死は己が選択する。他人が口を挟む事ではない」

「え。神様持ってんの?」


 流れ的に持ってないとおかしいだろう。草玄は強くそう思ったが。


「持ってない」


 この世の中はおかしいのだと思い返した。人間も然り。神様も然りだ。


「おいぃぃぃ」


 心臓が肉を押し退けて外へ出ようとするくらいバクバク脈打ち、冷や汗で全身が濡れるほど、草玄は動揺していた。


「ちょ。まじかよ。俺、死にたくねぇよ」

「死に際は誰もが同じ事を言うな」


 ソルティアは冷静に告げた。


「葵。いい加減意地を張るのは止めたらどうですか?死ぬんですよ。本当に」

「…何で草玄だけ助けなくちゃいけないの?」


 神様を見ていた葵の瞳は孔冥へと視線を変えた。

 無機質。その瞳を見た孔冥はそんな感想を抱いた。


「死にたくないって、皆が言った。私もそう。別に死に際でも何でも無かったけど、死にたくないって何時も思ってた。思ってたから、私の前にあの人が現れたのかは知らないけど。現れて、私は死ななくなった。けど。あの人は笑った。漸く死ねるって」


 葵は短く息を吐き出した。


「不老不死を望んでも、結局最後は死を望む。でも。死ねたあの人は稀なの。どれだけ死を望んでもその力を手に入れたら最後、死ねなくなる。後悔するの。望まなければ良かったって」

「今まで見殺しにしてきた自分が今更力を他人に与える事はできないと?」

「葵。おまえはやっぱ、勝手なやつだな」


 同時に告げた孔冥と草玄。妙な沈黙が漂う中、孔冥がお先にどうぞと草玄に手を向けた。それじゃあと、草玄は口を開いた。

 先程の動揺は何処へ消えたのかと思うほど、妙に冷静な自分に笑いが込み上げる。



(やっぱ、俺は葵がいい)


 いろいろ言いたい事はあった。


 例えば。葵に力を渡した人物は最終的に死を望んだが、その人物の意思が全人類の総意なわけないだろ。

 平たく言えば。そいつは死にたかったかもしれないが、他のやつもそうだとは限らないだろう。


 例えば。葵はよく自分を変で稀な人間だと言うが、自惚れるなと。


 確かに。自分にとっては特別な存在だが、他のやつから見れば、おまえは力を独り占めするただの我が儘人間だと。



(そうだ。葵は勝手すぎる)



 漸く両想いになって子も生し、これからだと言う時に姿を消す。

 見つけたかと思えば、嫌いになってと言った口で、好い友達でいようと言う。

 何で好きなんだろう。ふと自分に問いかけたい気持ちになった。

 何でこんな我が儘女が好きなんだ?

 こっちの気持ちを勝手に決めつけて、こっちがそれは違うって言ってんのに、間違っていないと言う。そんなわけないだろ。全く。



 大体、好きなら好きでいいだろ。好きならずっと一緒にいたいって思ったっていいだろ。ずっとが嫌だってんなら、譲歩してやるよ。一週間に一回でも。何なら、彦星と織姫のように一年に一度でもいい。

 そうやって、途切れない永遠を生きていければいい。

 何で好きなんて。分かるもんか。

 好きになっちまったんだよ。



 我が儘で勝手で自己中で思い込みが激しくて他人の言葉に全然耳を貸さなくて妙に優しくて強くて誰よりも心底生きるのが好きで莫迦で呑気で涙もろくて悲観的で全部自分にぶつけて他人に何も背負わせようとしなくて面白くもないギャグをかまして時々受けて時々ぶっ飛んでて食べるの好きで屁理屈で変に純情で。



 考え出したらキリがないほど、兎に角、面倒な性格なのに。

 全部好きになっちまった。

 振り回されて上等。

 いい男ってのは、全部受け止められるんだよ。

 もし。百万が一にも、嫌いになったってんなら、身を引いてやるよ。潔く。

 そん時に不老不死の力を持ってても、恨むわけないだろ。

 こんな身体にして俺を捨てるのかとか、そんな情けない事言うつもりは毛頭ねぇよ。

 だから。




「なぁ。俺はこのままでいたらどうなるわけ?」


 草玄はソルティアに問いかけた。


「魂はもう身体を動かす力はない。もう数日もすれば、魂は肉体から勝手に抜け出す」

「分かった」


 そっちが好き勝手言うなら、自分も好きにやってやる。


「連れて行けよ。鬼の所へ」


 ソルティアは目を丸くした。


「いいのか?」

「ああ」


 草玄は口の端を上げて、葵を直視した。


「逆に俺が鬼を食って、その身体を乗っ取ってやる」


(鬼なら人間よりも長生きできんだろ)


「あー、ラッキーだな。俺。鬼なんて滅多になれないもんなー」


 全身整形を施す手もあるわけだし、姿はどうにでもなる。


(葵のばーか。早く素直になっちまえ)


「…莫迦だな。あんた」


 ソルティアはそう言うや、草玄目掛けて鎌を振り下ろした。






「葵。こいつは天国に連れて行く。肉体は両親の所に持って行く」


 片手に草玄の魂を、もう片方に彼の身体を持ったソルティアはそう告げた。


「鬼に追われるのと不老不死の人間に追われるの。どっちがいい?」


 ソルティアは葵の答えを聞かずに、漆黒の翼をはためかせて、空へと昇った。



「葵の所為で、無垢な鬼が犠牲になりましたね」

「可哀想にでおぜる」

「全くだな~」

「葵が分からず屋だからな」

「まぁ、そろそろ腹を括った方が宜しいのでは?」

「好きなら好きで良いじゃん」

「そうですわ」

「…鬼が可哀想」


 孔冥、槇、神様。それに、何時の間に起きたのか。空、璉、ラキ、サラ、咲に順々自分が悪いような事を言われた葵は反論に掛かった。


「私は今回は間違った事言ってないし、してない。不老不死なんて手に入れない方が善いし、寿命なら仕方がないでしょ?…鬼は、草玄に乗っ取られるとは限らないし」


 孔冥は反論せずに、分かりましたと小さく頷いた。


「とりあえず、私は天界に行きますよ。閻魔大王に彼がどれだけ危険な人物かを報告した方が善いと思うので」


 空は手を上げた。


「じゃあ、私も行く……生きているが、行けるのか?」

「大丈夫ですよ」

「なら私も。葵と知り合いなら、お世話になりましたと礼を述べないといけないですから」


 空に呼応するように、璉もまたそう告げて、ラキとサラも、行きたいと手を上げた。


「私は、天界には帰りたくないので」


 憂鬱な表情を浮かべながら、咲はそう告げた。


「分かりました。では、咲は葵とここでお留守番をしていてください」


 孔冥は咲に目線を合わせてそう告げると、咲は小さく頷いた。


「葵」

「何?」


 孔冥は拗ねているであろう葵を見つめた。


(そうですね。あなたは間違った事は言ってはいないでしょう)




 不老不死の力は、神様が生み出した失敗作品の内の一つ。

 本来なら、この地に送り込まれる前に破棄される存在だった。

 それを、神様が面白おかしくなるだろうと、地にばら撒いた。

 今は組織の存在により落ち着いてはいるが、かつては、不老不死を巡って、国同士が悲惨な戦争を引き起こした事もあった。

 生きる為に、死にに行く人間。

 何故真逆の行為を取っているのかと不思議に思ったものだが、同時に。

 干渉したくない。とも思った。

 このまま神様の隣で愚痴を溢しながら生きて行ければ好いと。



 

 なのに。




 干渉したくない人間。その上、失敗作品を後生大事に胸に抱える人間の援助をしろと言われた時にはもう、怒りの余り、黙ってとび蹴りを食らわした。




『いいじゃんよ~。俺が産み出したもんを、あんなに大切にしてくれてんだぜー。傍にいてやってくれよー。俺の分身だと思ってよー』




 神様は頬を擦りながらそう告げた。




『あいつが何時死にたいと言い出すか。失敗作品に絶望するか。見たいんだよー』




 妙に真面目な顔だったから、仕方がないと思ってしまったのが、運のツキだった。

 どうせ数百年もすれば、絶望すると思っていたのに。

 その姿を見れば、神様だって、満足して、自分を傍に戻すかと思ったのに。



(本当に。長い時間を。神様よりも。一緒に過ごしましたね)



 彼女との関係に、どんな名を付ければいいかは分からない。

 友人というには物足りなくて。

 恋人というには甘みが足りなくて。

 相棒というほど、綺麗なものでもない。

 腐れ縁?べたついてもう離れられない存在?

 そんな美しい関係でもない。

 ただ。傍にいてやってもいい。厭きるまでは。

 それだけの関係。

 今までも。これからも。



「葵。鬼の為なんて言いませんよ。自分の為に考えてください」


 無気力な彼女を見た時、どうにかしてやりたいと。初めて心の底から思った。


「渡したくないならそれでいい。あなたが楽しく暮らせるならね」


 もう、二度とそんな顔を見たくないと思った。


(まだ厭きていないのですから)


 それだけ告げるや、孔冥は空、璉、ラキ、サラと共に一瞬で姿を消した。




「「…あの」」


 男二人が白い家からおずおずと出て来て、葵たちの前に姿を現した。

 彼らは、葵と草玄に王女を救ってほしいと頼んだ人物たちであった。


「こいつら。優勝者が俺に差し出されるって耳に挟んだらしくてよー。自分たちが供物になるから優勝者は見逃してくれってー。王女の身代わりなのになー」

「強くはなれないですけど。命くらいなら。な?」

「そうそう」


 彼らは笑いながらそう告げた。


(…命くらい。死んだら何もないのに。何で笑えるんだろう?大切な人の為に死ねるから?)


「…神様。私は、多分。草玄がいなくても生きて行ける」


 葵は何処にも焦点を合せずに、ぽつりとそう告げた。


「ああ」

「でも。草玄と一緒にいたい」

「ああ」

「私は、不死を捨てられない」

「ああ」

「私。我が儘だ」

「そうだな」


 葵は唇を固く結んで後、戦慄く唇で言葉を発した。


「私。草玄に渡せないよ。普通に、生きてほしいんだもん」



 渡したら結果はどうであれ、絶対に後悔する。

 後悔すると分かっているのに。苦しいと分かっているのに。

 どちらを選んでもきっと。



「だけどあいつはもう生き返らないよ」


 魂の循環も叶わない。完全なる生か死かの二択のみ。

 草玄は生を望む。葵も彼の生を望む。普通の、が付くが。


「不老不死の力ではなかったら、使ったー?」


 ただ単に、普通に今一度甦る力だとしたら―――。


 葵は小さく頭を振った。


「だろうねー」


 普通に拘るが故の回答。


(あの男が葵に二つの呪いを遺した)


 生死の望みを叶えてくれる不死の力と。

 漸く死ねるとの言葉がもたらした、不死の力への恐怖。


(あいつを飲み込む鬼には可哀想だけど)


 葵は渡さないだろう。

 だが、草玄もきっと鬼を支配するだろう。


(ったく。天神も要らんもんを地にばら撒いたなー)


「葵。不老不死の力、どれくらい集まったー?」

「…五。槇のも含めて」

「五ねー」


(どれくらいばら撒いたか、天神も把握してないから。途方もないねー)


 神様は葵から自分たちの会話を聞いていた男二人を見つめた。


「とりあえずー。あんたたちはこの星の住民だしー。この地に踏み入れたわけだからー。帰れないよー。死ぬまでずっとここにいてねー」


 覚悟を決めていた男二人だったが、再度、気を引き締め直した。


「「はい」」

「白ばっかの世界だしー。発狂した人もいるからー。気を付けてねー」

「じゃあ、ここにある色ペンやらで、色付けましょうよ」

「そうだな」


 男二人は地面に置いていた、先程の色ペンや絵の具を持って、まずはと、家に色を付け始めた。


「すぐに色褪せちゃうよー」


 神様は男二人の背に向かって話しかけた。彼らは振り返らずに笑って告げた。


「そうしたらまた塗ればいいだけですよ」

「俺たちがいる間に、全部を塗ろうな」

「…わけわかんないねー」


 神様は一人ごちた。

 ここに来た理由は王女だけではなく、少しでも死にたいと思っているからでは?

 そう思っていたのに、生きる気力は十分にあるらしい。


(こいつらも、不老不死の力を手にしても、生きるかもねー)


 存外、葵のような稀の人物もいるらしい。


(でもー。一人じゃないからーかもねー)


 神様は葵の頭に手を置いた。少し乱暴に。


「ねぇ、葵。君は普通だよー。我が儘な、普通の女の子―」


 本当は普通だの変だのに拘る必要はないと思う。

 どちらも兼ね備えているのだから。

 それでも。


「だからねー。渡しても、変にはならないからー」


 あいつはもう決めている。だから、あとは君の気持ち次第。簡単だ。

 共にいきたいか。いきたくないか。それだけの話。

 神様は俯いた葵の髪の毛を乱暴に掻き交ぜて後、一時置いたままにしていた。






「と言うわけで、しつこさは宇宙一なので、鬼が可愛いなら、それを食べさせない方が宜しいですよ」


 天界。魂魄役所。

 孔冥と空、璉、ラキ、サラは、自分たちの二十倍ほどの大きさで黒髭の男性、閻魔大王と彼の後ろにある画面を見上げていた。

 画面には赤茶色一色の世界の中に、複数の鬼たちと、ソルティアの姿が映っていた。


「ふーむ。それは困ったのー」


 閻魔大王は黒髭を撫でながら答えたが。


「じゃあ、細かく千切って複数の鬼に渡すかのー」

「それじゃあ、被害が大きくなるだけだ」


 空は告げた。


「だがのー。嬢ちゃん。魂をそのままにしとくわけにはいかんのよー」

「だから葵がここに来るまで待ってくれと言っている」

「ふーむ」


 閻魔大王は困ったと口を閉ざして考え始めた。


(葵が渡すとは考えられんし。その万が一があったとしても、あやつらが赦さん……うん。無理じゃな)


「ソルティア。それを鬼にやれ」


 閻魔大王は椅子を回転させて、画面に向き合い、ソルティアに告げた。

 そして、孔冥たちの制止の言葉に耳を傾けず、ソルティアは一匹の鬼に魂を渡し、それを受け取った鬼は不安そうな顔をしながらも、あんぐりと口を開けて、一気に飲み下した。


(((((あーあ)))))


 どうなっても知らないと、孔冥ら五人が画面の鬼の様子を窺う中。


「美味しかったです」


 変わった様子もなく、腹を擦りながら、げぷぅとゲップを出す鬼。

 あれっと、孔冥ら五人の目は点になった。



「「「「「?草玄は」」」」」










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