第3話大きな花火の作り方
合成鬼龍に再び乗り込みエルジオンへと向かった。
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エルジオンに着いてからも、スタスタと進むエイミ。数分が過ぎ、たどり着いたのか、ばっとアルド達の方へと振り返る。急に振り返ったため、一瞬肩が上がったアルドは「うおっ?!」と小さく声を漏らした。
「なに、情けない声を出してるのよ、ほら着いたわよ」
着いたって一体どこに?と思っていたが、上にある看板を目にしたアルド達はその疑問もすぐに晴れた。それもそのはず。エイミが連れてきた場所は、自分の家でもあり父が経営するウェポンショップだったのだ。
一同は、店内に入りエイミの父_ザオル_に声をかける。ザオルは、なにやら重そうな武器の入った箱を持っており、エイミが入ってくるなりその箱を、下に落としてしまった。ガシャァァンと大きな音を立てる箱。しかし、箱の心配は一切せずにエイミ達に話しかけた。
「おぉ!エイミそれに、アルドやその仲間達。久しぶりじゃないか。」
「ちょっと箱は、大丈夫な訳??嫌な音がしてたけど。」
「気にするな。多少の傷は仕方ない!それよりどうしたんだ?」
いいのか?売り物じゃないのか?と思いつつ、エイミは「実はね、、」と話し始める。エイミの話を聞き終わり、今回の件について理解したザオルは、顎に手を当てながら答えた。
「村中を包み込めるほどの色鮮やかで巨大なな花火が作れるかって??、、、できなくもない話だがしかし、作るには素材がいるな。」
「素材ってどんな物がいるの?」
「一つは花火の肝でもある、火薬だ。一般的な火薬では村中を包み込めるほどの威力はない。だが、工業廃墟都市のある合成人間から取れると“フィアンマウラン”と呼ばれるパーツと、色鮮やかにする為の、ルート99の道に落ちているアマ・デトワール鉱石が、一つずつあれば出来るだろうな。」
「“フィアンマウラン”と“アマ・デトワール鉱石”か。おじさん俺達探してくるよ!」
「待て待て待て。問題があるんだよ。」
「親父その問題ってなに?」
「確かに、この2つがあれば作ることは可能だ。“ アマ・デトワール鉱石”もルート99の道を探せば高確率で落ちているしな?しかし、問題は“フィアンマウラン”なんだよ。」
「、、危険なものなのか?」
そう聞くアルドの言葉に1回頷くと、頭を悩ませるザオル。彼は、少々渋い顔をしながら説明を再開した。
「“フィアンマウラン”は全くもって危険では無い。しかし、そのパーツを持っている合成人間が危険なんだ。こいつはとてつもなく、、」
「つ、強いn「とてつもなく弱い!!!!」
「「、、、、、、へ、、?」」
石のように固まる一同。本来ならば「強いから油断するなよ。」等の言葉を言われると思っていたので、まさかの事態で空いた口が塞がらない。
「弱いのなら、素材集めは簡単なんじゃないのか??」
「フィアンマウランを持っている合成人間は、かなりの臆病者なんだ。もし、自分の命が危ないと察した時、自爆をしてしまうんだよ。その衝撃でフィアンマウランは、爆発し無くなってしまう。」
「それじゃ、どうやってフィアンマウランを手に入れればいいの?無理なんじゃ、、?」
「いや大丈夫だ。合成人間と戦う時一定ダメージを与えられれば、奴らは直ぐに逃げて行くはずだ。その瞬間奴から、フィアンマウランがこぼれ落ちる。それを落とさずにキャッチするんだ!!」
「もし落としてしまったら??」
「、、、フィアンマウランは爆発だな。」
空いた口が更に塞がらなくなる。そんな作戦で果たして上手くいくのか?そもそも、フィアンマウランは危なくない物なんじゃないのか?!聞く限り超危険なものだぞ。頭の中でツッコミを入れていくうちに、心臓がドクドクと大きく脈をうち始めた。
「どうするでござるか?アルド。」
「、、、答えは決まっているよ。皆急いで工業廃墟都市とルート99に行くぞ!」
「アルドならそう言うと思っていたわ。」
「ははっ。それなら俺は、お前達が素材を集めている間にその他の準備をして待っるぞ。急ぎで、今日中に作らないといけないらしいしな。ああ、それと言い忘れていた。全ての合成人間がフィアンマウランを持っているわけではないぞ?」
「そうなのか?俺はてっきり合成人間なら、誰でも持っているかと勘違いしていたよ。」
「いや俺も説明せずに悪かった。フィアンマウランを持つ合成人間には、特徴が一つある。」
「特徴?」
「ああ。目が青いんだ。本来の合成人間の目は赤い目をしてるんだが。フィアンマウランの力によって青く変色しているんだ。」
「目が青い奴がフィアンマウランを持っているんだな。分かったよ。ありがとうおじさん。」
「おう!くれぐれも気をつけるんだぞ!!」
「ええ、分かってるわ!行ってくる!!」
一同は、ウェポンショップを後にした。
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__ルート99__
一同は、エルジオンから出てルート99に散らばるアマ・デトワール鉱石を念入りに探していた。
「あっお兄ちゃんコレが、その鉱石じゃないかな??」
瓦礫と瓦礫の間に手を伸ばしゴツゴツとした鉱石を拾い上げる。鉱石は、正面からみると黒いのだが傾ける度に、白や青など色が次々に変わる。
「コレがアマ・デトワール鉱石か、、。初めて見たけど、綺麗だな。」
うっとりとした顔のアルドは、我を忘れ鉱石を見入っていた。アルドから少し離れたところでエイミもまた、鉱石を見つけていた。
「凄い!この鉱石赤色なのに、暗くすると黄色く輝くわ。」
「ほほう。コレがアマ・デトワール鉱石でござるか!変色する鉱石なんて、なんとも妖美でござる。」
「アルドとフィーネにも見せに行きましょう!」
「そうでござるな。」
二人は、鉱石を持ってアルドのいる場所へと走った。
その一方では、ギルドナとリィカが鉱石を見つけていた。
「ギルドナさん、見つけマシタ。ノデ!!」
リィカが持つ鉱石は、濃紺からはじまり、下に行くにつれ綺麗なエメラルドグリーンにグラデーションをしていた。それはまるで、海をひっくり返したかのような鉱石。
「アマ・デトワール鉱石、、美しいものだな。」
「そうですヨネ。エルジオンに長くイル私でスラ見た時の無い鉱石デシタ。記録して置キマス!」
「、、好きにすればいい。」
キュイイインと記録を始めたリィカ。ギルドナは、その場を離れずリィカが終えるのを待っていた。
「待ってイテくれたのデスカ?」
「お前が、鉱石を持っているからな。それに、俺一人でアルドの元へと帰れば、グチグチと言われるかもしれん。面倒事は嫌いだ。記録が終わったのなら、さっさと戻るぞ。」
ズカズカと歩くギルドナに「コレが噂デ聞く“ツンデレ”デスね。」とぼやき、後を追いかけた。
集合した一同は、それぞれ手にしたアマ・デトワール鉱石を見せ合う。
「ん?皆違う鉱石を持ってきたっぽいな。ど、どれがアマ・デトワール鉱石なんだ??」
「どれも綺麗だもんね。親父に鉱石の特徴も聞いておけば良かったわ。」
「一応四つ全て持ち帰って、おじ殿にどれがアマ・デトワール鉱石なのか見てもらうでござる。」
「それもそうだな。でも、四つも手に持って行動するのは無理そうだな。。」
「それなら心配ご無用でござる!」
サイラスは胸もとから大きな袋を取り出した。
「助かるよ。サイラスは、その袋いつも持ち歩いてるのか?」
「さよう。拙者釣りが趣味で、釣った魚をこの袋に入れてるでござる。」
「魚、、、。」
大きな袋を受け取り嗅いでみると、確かに若干生臭い。とは思いつつも他に入れる袋が無いため、アルドはサイラスに感謝し鉱石を入れた。サイラスは、鉱石の入った袋を再び胸元に戻す。
「よし、あとはフィアンマウランだけだな!」
「なんとか、祭りには間に合いそうね!」
エイミは安堵の表情を浮かべた。
「お前達一番問題なのが残っているのだぞ。」
「そうデスヨ。マタ合成人間が逃げるトキ、誰がフィアンマウランを受け止メルか決めないといけないのデス!」
「そうだな。受け止めるのは、エイミに任せても大丈夫か?」
「えっ?!そんな、重要なポジションをなんで私がっ。他の皆がやればいいでしょ?」
「反射神経が一番いいのこの中だと、エイミだし。他の皆は、、」
アルドは、ギルドナ、サイラス、フィーネ、リィカの顔を見た。
「お、お兄ちゃん私には出来ないよ。多分落としちゃうから、、。」
「ワタシもそのまま合成人間に激突シテ爆発サセル可能性が高いデス。ノデ!」
「せ、拙者は胸元に鉱石が入ってるため速くは走れないでござる。」
「、、、俺がやると思うか?」
「俺は、エイミより反射神経悪いからさ。頼むよ。」
ギルドナ以外まともな返答だったため、なにかが吹っ切れたのかはぁと息をはく。
「分かったよ。私がフィアンマウランをキャッチする!」
「ありがとう!エイミ。」
「そう言わないと、誰もやらないんでしょ〜?全くもう。」
呆れた顔をするエイミに対して、ははっごめんと笑いながら謝るアルド。
「ほら!決まったんだからさっさと合成人間なんて倒して親父に花火を作ってもらうわよ!」
「え、エイミ合成人間は、倒しちゃだめなんだからな。」
「そ、そうだったわね。、、と、とにかく早めに見つけ出すわよ!」
エイミはバツが悪かったのか、茹でダコのように顔を赤くしズカズカと工業廃墟都市へ向かう。エイミを追いかけるようにアルド達も後にとつづいた。
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___工業廃墟都市 エリアA___
室内には人工的に植えられた木が、そのまま成長を続けている。また、通路のあちらこちらには、昔なにかに使われたであろう部屋や画面の割れているモニターが置かれていた。
「このエリアには、フィアンマウランを持っている合成人間はいなさそうだな。」
いちいち戦うのが面倒なため、コソコソと移動しつつ捜索する一同。合成人間は、何匹も徘徊しているのだがお目当ての者はいなかった。
「気づかれる前にとっととこのエリアを去りましょう。」
音をあまり立てないように一歩一歩慎重に動き、下に繋がるエレベーターへと乗り込んだ。
数秒乗っていると、ウィィンと大きな機械音と共に下の階につく。
「ここは、工業廃墟都市の炉内だったかしら。」
前のエリアと雰囲気がガラリと変わる。通路にはモニターや木々は無いものの、天井を見ると、太陽を拝ませないと言わんばりの管が大量に伸びていた。
「見た感じここにもいなさそうだな。」
「本当に青い目をした合成人間なんて実在するのか、分らなくなってきたでござるな。」
「サイラス〜?それって、私の親父が嘘ついてるって言いたい訳〜?」
「そ、そんな事は拙者一言も申してないでござるよ!」
「じゃぁなんて言ったのよ?」
「必ず見つけるともうしたでござる。」
「ふーん?」
手を腰に置きエイミは、サイラスの顔をジトーと見続けた。額から汗がダラダラ出てくる。ポタポタと零れる汗を拭いたいが、少しでも動いたのなら、別な液体が零れるに違いない。
「、、フフ。なんでそんなに汗をかいているのよ。」
エイミはサイラスが尋常ではない汗の量をかいている事に笑ってしまった。
「ほら、行くわよ!」
サイラスの額を軽くデコピンをして進み始めるエイミ。
「ぬぅ!?((こ、怖かったでござる。))」
デコピンされた所が赤くなっているサイラスは、手で軽く撫でていた。
一同は、上の階に行くためのエレベーター前に到着する。
「あれ?なんでエレベーターが使われているんだ?」
アルドが疑問をなげかけた瞬間。ガシャン!ウォォォンと勝手に動きを出す。
「だ、誰か乗っているのか?!」
「こ、こここ、怖い事言わないでよアルド!」
「しかし、拙者達が乗っていないのに動くと言う事は、、、幽霊ではござらぬか。」
「ゆ、ゆゆゆゆ幽r「、、、来るぞ。」ひっ!!」
ギルドナの声を合図に、ギュッと目を瞑ったエイミ。他のメンバーのリアクションを伺うが反応がないため、恐る恐る目を開らく。ぼやぼやとした視界の中だがハッキリと、わかる。エレベーターには確かに乗っていたのだ。それは、人でもましてや幽霊でもなかった。
「、、んで、、、なんで!!アンタがこのエレベーターを、使っているのよ!!」
ツッコミを入れてしまった。否ツッコむしかないだろう?だって、エレベーターには、青い目をした合成人間が乗っていたんだから。
「エイミ、俺の代わりにツッコミをいれてくれて助かった。驚きを通り越して言葉が出なかったよ。」
「ううん、礼なんていいわ。そ、それよりコイツ青い目をしているわよ!」
「コノエネルギー反応を調べた結果“フィアンマウラン”で間違えありマセン!」
「テ、テキ、、目の前ニ敵発見、ハッケン。タオさなケレば。」
青い目を更に発光させ、右手に握られている斧のような武器をデタラメに振り回す。
「お、おいこの合成人間戦い方がおかしいぞ?!」
「デタラメに振っているように見えて実は、、なんて事はござらぬな。」
「ァ、アッチに行ケ!こ、怖イ、、こわ、」
本当にコイツは合成人間なのか?本来の合成人間ならば、敵を見つけ次第全力でかかってくるはずなのに。足も微動だにさせずただ武器を振り回してくるだけ。アルド達は、頭のなかでぐるぐるとコイツがなんなのか考え込んでいた。
戦闘が開始しているはずなのに、ゆっくりと時間がすぎていた。が、突然あたりにゴーンと金属音が鳴り響いた。その後に発しられたのは自分の妹の声だった。
「え、えい!!」
「フ、フィーネ?!」
目の前をみると、合成人間の頭を杖の先でコツンと軽く叩いていた。あんな攻撃では、いくら何でも倒れるわけがない。アルドは、考えるのをやめフィーネの前に立ち剣を構えた。
合成人間は少し固まったあと、ジリリガジジジと体内から奇妙な音を出し始める。
「アルド油断しちゃダメだからね!」
エイミの言葉に小さく頷くアルド。どんな攻撃が放たれるのか緊張と興奮が混ざった顔を浮かべる。
ようやく動きを出した合成人間は、アルドの方へと向き両手で斧を持つと精一杯振りかざした。
「俺もいくぞ!」
アルドも火を剣にまとう。一発で致命傷を与えるつもりだろう。彼の出す火は、大きく燃えていた。
「、、、ル、!」
「ん?なにか言ったか?」
ボソボソと喋り出す合成人間。火の音で声がかき消されてしまっていたため、同情をしたアルドは、火を弱める。
「な、なにか言いたい事があるんだったら言ってもいいぞ?」
彼は何と話しているのだろう。本当に敵と話しているのか?戦いを傍観しているエイミ達は思っていた。
「、、ギ、、ギギ、イイタイ、アタマ叩かれタ、コ、コワイ、、コワ、、、ニゲ、、ル、、ウワワワ!」
「えぇ?!あの攻撃で逃げるのか?!」
((俺が手を出していたら、爆発してたのか、、危なかった。))
自身の両手をパッと離す合成人間。結構な重さがあったのか、斧はガシャンと音をたてた。
そして、その場で高速足踏みをしたかと思うと飛んでもないスピードで、横切っていく合成人間。その瞬間、心臓部らへんからポロッと青く輝くなにかが落下した。それが、フィアンマウランだと分かったアルド。
「エ、エイミ頼む拾ってくれ!それが、フィアンマウランだ!」
「もう、人遣いが荒いんだから!!」
といいながらも、合成人間の落としたフィアンマウランにスライディングジャンプをし胸元でしっかりと受け止めた。しかし、勢いが良すぎたため、ズザザザと地面を滑っていくエイミ。
「エイミちゃん?!大丈夫!!」
急いでエイミの傍に駆けつけた一同。あんな派手に滑っていたにも関わらず、怪我一つしていないエイミにただ驚くことしか出来なかった。
「ん?受身をとっていたから怪我なんてしてないわよ?それより、私フィアンマウランって、石ころみたいなものだと思っていたけどかなり大きいのね。」
確かにエイミが言うように小さいもの想像していた。ところが現物を見てみると、バスケットボールより一回り大きく表面が、青くツルツルとしていた。
「こんなに大きいもの、よくキャッチできたな。重くなかったのか?」
「全然重くなんてなかったわよ?」
ほらとアルドにフィアンマウランを軽々しく渡したが、アルドが持った瞬間前かがみになり落としそうになる。
「、、エイミ俺には軽いとは思えないよ。 」
「えっ嘘でしょう?!」
アルドは、フィアンマウランをエイミへと返す。エイミは、ボールを持つかのように軽く担ぎ上げた。
「、、、」
((これからは、毎日筋トレをしよう))
と胸に誓うアルド。その後ろでサイラスが口を開く。
「材料は全て揃ったでござるな?」
「そうね。これで完璧なはずよ?」
「よし、おじさんの所へと戻ろう。」
一同は、材料を持ち再度ウェポンショップへと向かったのであった。
□□□□
__ウェポンショップ__
ウィィンと自動でドアが開く。あらたかの準備が整ったのか、台の上には様々な花火に使われる材料らしきものが置いてあった。
「おう!結構早かったじゃねぇか。材料は手に入れられたか?」
「ええ。フィアンマウランは手に入れることが出来たんだけど、アマ・デトワール鉱石がどれなのか分からなくて、、。」
サイラスは袋に入っていた四つの鉱石をザオルにみせた。
「ん?どれってこれ全部アマ・デトワール鉱石だぞ?」
「え?全部そうなのか?見た目はどれも違うのに。」
「ああ。アマ・デトワール鉱石ってのは約40種類もある鉱石なんだよ。あれ?言っていなかったか??」
無言で頷く一同。頭を掻きながら「すまねぇ。」と苦い顔のザオル。なんとも奇妙な空気が醸し出されていた。
「と、とりあえずそこで待ってな。数分で、出来る上がると思うからよ!」
「花火ってそんなに早く作れるものなのか?!」
「あったりまえよ!花火一つも作れないでウェポンショップのオーナーが務まるはずがねぇだろ。」
「、、アルド無視していいから。」
「、((花火は関係ないんじゃないか?))、、、お、おう、。」
ガンガンと音をたて花火を作りはじめるザオル。一同は、店内に飾ってある武器や防具をみて待っていた。
そして、数分が過ぎた頃ザオルがアルド達を呼んだ。
「ほら出来たぞ。」
「もう出来たのか、さすがに早すぎるだろう??!」
時間にして僅か5分で花火の玉が完成した。一同は、ザオルのところへと集まる。
「、、綺麗。」
「花火の玉ニハ見えまセン。」
「まるでガラスの置物見みたいね。」
台の上には、表面がキラキラと色鮮やかにコーティングされた花火の玉があった。
「お前達が、アマ・デトワール鉱石を四つも持ってきたからな。全部混ぜてみたんだよ。これを空へとうった時、美しさのあまり気絶するかもしんねぇぞ。」
ガハハハと笑い出すザオル。
「早く見てみたいよ。エイミのおじさんありがとうな!」
「いいってことよ。つか、こんなに長居をしていて大丈夫なのか?結構急ぎだったんだろう?」
「!!」
時計を見てると、五時半過ぎを指していた。
「ア、アルド急いで出発するござる!!」
「よし、行こう!」
「花火の感想、またここへ来た時にでも聞かせてくれ!」
「ええ、必ず伝えに来るわ!!」
エイミ達はそれじゃとウェポンショップを後にした。エイミの背中を目で見送ったザオル。嬉しそうに少し口角を歪ませ、周りにも
聞こえない声で
「行ってこい、、エイミ。」
と一言呟いたのであった。
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