第20話 もうひとつの家族 ~ ありがとう ~

私達は雄真の部屋に移動し、雄真は私を隣に座らせた。


私の胸はドキドキ加速する。




≪ヤバイ…隣同士って緊張するんだけど≫

≪密着じゃん!≫



私の心臓はうるさい位、爆ついていた。



「なぁ、佳音」

「何?」

「お前、何で急に戻ったんだ?」

「えっ!?」


「姉貴から、しばらく帰って来ないって聞いて…マジ驚いて」


「それは…雄真に彼女も出来た事だし、家に来始めたからだよ。真里絵さんは荘兄と恋人同士だし私がいなくても大丈夫なはずだし」


「だからって急すぎだろ?」


「もしかして急にいなくなって寂しくなった?でも、元々は私の居場所じゃなかったから。家を出てきた迷惑な居候だよ?」


「…佳音…」


「第一、彼女も嫌でしょう?彼氏の家に同じ位の子いたら。居候とはいえ、やっぱり良い気しないよ。私だったら嫌だよ」


「だけど、お前がいなくなって俺達は別れた」


「私がいたからだよ」


「それもあるかもしれないけど、正直、彼女の人間性も疑った瞬間だった」


「えっ!?」


「最初は気付かなかったけど好きな人いる事が分かって、俺に告白してきたあげく、お前が店にいる事知っていた彼女は、お前に見せ付けようって家に来ようとしていた事も分かったんだよ」



「………………」



「そうしたら、お前いなくなるし……佳音が彼女によって追い出された気分になった」



「………………」



「嫉妬か嫌がらせかしんねーけど……好きな奴いながら、やり方が汚すぎて正直腹立った」


「雄真……」



スッと両頬を優しく包み込むように触れる。



ドキン



「佳音…戻って来な」

「えっ?」

「お前の居場所は……ここだから」



ドキン


私は引き離し、背を向ける。


「な、何言ってんの?私の居場所はここじゃないし!私は、ただの居候」


「違うんだよ……」



「………………」



「ここは……お前と荘史さんの……もうひとつの家なんだよ…」



ドキン



≪えっ?家?どういう……≫



振り返らせる雄真。



「俺達……四人は…一緒に過ごしてきた事のある家族なんだよ……お前の母親と俺の母親、高校の時の同級生だったって……今の俺達の時から……仲良くって…結婚したのも出産したのもそう変わらなかったらしくて…」



「……嘘……」


「荘史さんも最初は気付かなかったらしいけど、ただ、初めて来た時、初めてじゃない気がしてたらしくて……」



「………………」



「自分なりに調べて、姉貴に話をして、二人で情報を集めてきたらしい。そうしたら……お互いの家からアルバム出てきて……」



テーブルに並べられる幾つかの写真が広がっていく。





幼い頃の

私達二人だろうと思われる写真だった。



写真の裏には

雄真と佳音。1歳



一緒に楽しそうに

笑顔で遊んでいる写真


一緒に並んで幸せそうに

寝ている私達二人の写真



裏には2歳、3歳と…………


6歳までの写真があった



私達の家族も

一番幸せだった頃だと思われる時期の写真だ





私は涙がこぼれそうになった。




「この写真が何よりの証拠だろう?お前の母親が亡くなってからは、俺達の母親が優岐家に時々、様子を見に行ってくれていたらしい。二人が施設に預けられた時は、相当辛かったみたいで…面会出来た時、いつも二人に伝えていた言葉があったんだって」



「……………………」



「どんなに今は辛くても幸せは必ず来るって」




私は涙が溢れた。


自分も言われ続けていた事だと気付いた瞬間だった。


施設に預けられていた時の当時は、小学校2、3年頃で、荘兄は、中学1、2年。


本当に辛い時期の年齢だ。




グイッと抱きしめられた。



「佳音…もう悩まなくて良いから…性格悪くても、色気なくても……俺は……お前が好きだから……」



ドキン



「……雄真……」


「だから戻ってきてほしい……」



雄真はキスをし、お姫様抱っこをするとベットに

乗せた。



「俺の傍にずっといろ!佳音」



再びキスをすると、私の洋服を脱がしていく。



「ゆ、雄真……待って……」

「待たない」



ドキン



「俺が彼女連れてきて辛そうにしてんの分かったし……まさかと思ったけど…いなくなるし……」



雄真も洋服を脱いだ。



ドキッ


私はまともに見れず顔を反らそうとすると、雄真の手で止められ、すぐに両手を押えられ股がるとキスをされた。



「佳音…俺達に時間必要?」

「それは…」

「予約しないと駄目?」

「…予約は…」

「お前は売れ残り商品でも……並ばない商品でもない」



「………………」



「俺が一番最初に予約しておいたんだから。売れ残りなら俺が買うし並ばない商品なんかじゃなくて期間限定の商品だから滅多に手に入らない特別な商品」



「……雄真……」

「俺がお前の全部(すべて)もらうから、お前に俺の全部(すべて)もらってほしい」

「えっ? あの…」


「お前が怖いように俺も怖い……二人で頑張ろう……佳音。俺、もう傷付きたくないし、お前の傷付くのも見たくないから……だから俺に全て委ねな……俺もお前に全て委ねるから」



キスをされ、深いキスをされ、何度も角度を変えるキスから、雄真の唇が私の身体を這っていく。



「……雄真……」




名前を呼ぶ私に雄真は顔を見せる。



「…何?」



私は雄真の両頬を両手で包み込むように触れ、キスをした。



「……あなたが……好き……」



至近距離で私達は見つめ合う中、雄真の顔が一気に赤くなり、体温があがったのが分かった。



「……佳音…お前…それ反則…だろ……」

「えっ?」



キスをされ、深いキスをする雄真。



「……マジ…可愛すぎだろ……」



何度も深いキスをされ、



「…マジ…無理…佳音…しばらく我慢して…」

「えっ?」



私の身体に雄真の熱があたるのが分かった。



「ゆ、雄真……ま、待って……」


「待てる訳ねーだろ?……あんな顔で好きとか言われたら一気に抑えられねーし……我慢の限界爆発だし……好きな女、目の前にいんのに……」



雄真の熱が、身体の中にゆっくり入っていくように、私の身体に痛みが広がっていく。


痛すぎて力が入ってしまう。



「佳音…もう少し…」



グイッと肩に力が入ったと同時に涙がこぼれ落ちる。

私達の身体は重なり1つになる。


私は雄真に抱きついた。



「佳音は、もう俺だけのもの」



ドキン

そう言うとキスをする雄真。



「もう誰にも渡さないし買わせない。つーか買えないけど……俺達……幼い時から決まっていたんだろうな……」


「……えっ…?」


「俺達が高校の時に出逢ったのも何かの縁だったんだろうなぁ~って…今なら素直にそう思える」



キスをする雄真。



「佳音…好きだよ」



ドキン




「…私も…好き…」




私達は再びキスをし深いキスをした。






お母さん私を産んでくれてありがとう


これから彼・雄真と幸せになるね♪


俺達を会わせてくれてありがとう


これからも私達4人を

両家の両親の家族で空から見守ってね♪


私達・俺達は


4人で幸せになるね♪

















































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恋のオムライス ハル @haru4649

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