第7話

 連れてこられたばかりの怯えている小さなライオンを見て、エリーゼは連れてこられた時の自分と重なって見えた。その様子を見て、エリーゼはゆっくりと近付き、我が子のように、ライオンを柔らかく抱きかかえた。幼いライオンも無邪気な眼でエリーゼを見つめた。


「この子の名前決めたわ。あなたは今日からルーナ(月)よ。観客の心が夜のように暗くても月のように明るく照らしてくれる。そんなエンターテイナーになってほしいの」


 エリーゼは嬉しそうにルーナに話しかけた。その言葉を聞きながら、ルーナは幸せそうに腕の中で眠った。

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