第23話 私と特別な彼女①

しかし、翌朝になってもまだ昨日のことが忘れられず悶々とした日々を過ごしていました。

そんな私の様子を見かねたのか彼女が声をかけてくれましたので、

私はとても嬉しくて飛び上がってしまいそうになるほどでした。

そんな気持ちをぐっと抑え込んで冷静なフリをしながら話していると、

時折私をじっと見つめている彼女に気づいてしまいました。

その瞳には熱が篭っていて、まるで何かを訴えかけているかのように見えましたが、

それを察することは出来ませんでした。

しばらくしてから彼女はその事に思い至ったらしく、

ハッとした表情を浮かべてから俯きながら謝ってきました。

(何だったんだろ? まぁいいや、それより今はエリーズとの時間を大切にしないとね!)

そう考えた私は、彼女の手を取ってベッドへと連れて行き、そのまま押し倒しました。

そして、優しくキスを繰り返すうちに徐々に興奮してきたようで、

トロンとした表情でこちらを見てくるのでした。

そんな彼女を見ていると、自然と笑みが溢れてしまうほど愛おしく思えてくるのです。

そうやって暫くの間キスをしていると、不意に彼女が唇を離してきましたので不思議に思っていましたが、

彼女は恥ずかしそうな顔をしているものの、何かを伝えようとしてくるのです。

そして、意を決したかのように口を開き、

「エリーズ、好きだよ、愛してる」

と伝えると、小さく頷いてから目を閉じてくれたので、私もそれに応えるように唇を重ね合わせます。

そうすると、最初は少し驚いた様子でしたが、すぐに受け入れてくれたようで、

徐々に力が抜けていく様子が分かりました。

その隙を狙って舌を入れていきますが、彼女もそれに応えてくれるように積極的に絡ませてきます。

それが嬉しくてさらに激しくしていくうちに段々と息が苦しくなってきたのか

彼女の手が私の肩を叩いてきたので一旦離れました。

しかし、まだ終わりではありません。

今度は首筋に舌を這わせていきながらゆっくりと下へと移動させていき、

鎖骨の辺りで一度動きを止めてから強く吸い上げるとそこには赤い痕が残りましたが、

同時に痛みも感じたらしく彼女が小さな悲鳴を上げたので慌てて口を離しました。

それから暫くの間キスを続けていましたが、やがて満足した私は彼女を抱き寄せて眠りにつくことにしたのです。

「エリーズ、お休みなさい」

そう伝えると彼女もそれに答えてくれましたが、眠くなったようでウトウトし始めました。

その姿を見ているだけで幸せを感じられます。

この幸せが続くように祈って眠りにつくことにしました。

そして目が覚めると目の前にはまだ彼女が居てくれて、

安心した様子で微笑みかけてくる姿がとても愛おしく感じたので私も笑顔を返してあげました。

もう何度目かわからないこのやり取りも毎日繰り返せると思えば楽しみで仕方がないですし、

私達の愛の深さを実感出来て幸せな気分になりますから、これからもずっと続けていきたいと思います。

だから私は今日も彼女に微笑んでこう言います。

「おはよう、いい朝だね」

それから朝食を食べ終え身支度を整えた後、私達は公園へと向かいました。

公園に着くと早速遊ぶことになり、まずは滑り台に向かいます。

私が先に乗って滑って見せると、彼女は目を輝かせながら拍手を送ってくれたので、

嬉しくなって何度も繰り返し滑っていました。

「エリーズ、君も乗ってみたらどうかな? 楽しいと思うよ」

そう言って、私は彼女を手招きしますが、

彼女は恥ずかしいようでなかなか踏ん切りがつかないようです。

そんな様子に苦笑してしまいながら、彼女の手を引いて一緒に滑ってあげることにしました。

最初は怖がりながらも次第に慣れてきたようで、最後は楽しそうにしていました。

その様子を見て私も嬉しくなりました。

それからしばらく公園内を散策した後、休憩するためにベンチに座りました。

そうすると、彼女が何か言いたげな表情をしていたので、

どうしたのか尋ねると彼女は恥ずかしそうにしながらも口を開きます。

「あの、その……手を繋ぎたいなって思って……」

その言葉を聞いた瞬間、胸が高鳴りましたが平静を装って返事をすることにしました。

「うん、いいよ」

と言って手を差し出すと、彼女もそれに応えて手を繋いでくれました。

その手はとても小さくて柔らかくて温かいものでした。

この小さな手がいつか大きくなって私の手から離れていってしまう日が

来ると思うと寂しく感じてしまいますが、それでも今だけはこうして

触れ合っている時間を大事にしたいと思っています。

「エリーズ、好きだよ、愛してる」

この言葉の意味がどの程度伝わっているかはわかりませんが、

それでも今のこの感情を素直に伝えたいと思いました。

すると彼女は微笑みながら応えてくれるのです。

その姿はまるで天使のようで私はどうしようもなく彼女に惹かれてしまうのでした。

そんな幸せを噛み締めながら手を握り返しつつ私は口を開く。

「これからもずっと一緒にいようね」

そういって笑うと彼女も笑ってくれるのです。

今はただこの一瞬を大切にしたいと思います。

そう改めて心に誓ったのでありました。

それからしばらくして私達二人は家へと帰っていきましたが、

この日以来彼女との関係はより深いものとなっていきました。

「エリーズ、好き、愛してる」

と愛を囁くと恥ずかしそうにしながらも応えてくれるようになりましたし、

今では彼女のほうからもキスを求めてくるようになりました。

その姿はとても可愛らしくて愛おしいと思いますし、こちらとしても嬉しく思っています。

これからももっと沢山キスをしたり抱き締めたりとしたいと思っていますし、

お互いの気持ちをぶつけ合っていきたいと考えています。

もっともっとこの子の事を知りたいですし、喜ばせたいという気持ちでいっぱいなのです。

だから今はただ彼女との時間を大切にしたいと思っています。

いつまでも一緒にいたいと思うからこそ彼女も私に懐いてくれているのだと信じていますから、

私もそれに応えられるように努力していこうと思っているのです。

「ねぇ、エリーズ、何かして欲しいことはある?」

私が尋ねると彼女は少し考えた後で答えました。

それは意外なものでした。

彼女は私の膝の上に座りたいと言い出したのです。

私は驚きましたが、断る理由もないので彼女を抱きかかえるようにして座りました。

そうすると彼女は嬉しそうに微笑んでくれましたので、私も幸せな気分になりました。

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