第3話 皐月侑那③

「あ、そうだ」

妖精エリーズは何かを思いついたようです。

侑那を抱っこして、何処かへ連れて行くのですが、何処へ行くのでしょうか?

侑那は目を覚ますと見慣れない光景が見えているのです。

それは、ここは何処なのでしょう?

どうやら、侑那は見知らぬ部屋にいるようですから、

ここはどこなのかわかりませんけど、部屋から出ると大広間にやってくるのです。

大広間には、豪華な食事が並んでいて、美味しそうな匂いが漂っています。

侑那はお腹が空いているので、さっそく料理を食べ始めるのですが、

妖精エリーズも一緒に食事をしているようですから、

きっとこの妖精の国フェリーアでは、妖精と人間は一緒に生活を共にしているのでしょう。

そして、お腹いっぱいになるまで食べた侑那は満足すると部屋に戻り眠るのです。

翌日も朝食を食べて部屋に戻ってきて眠ったら、また夕食を食べて寝るという繰り返しをしているのです。

侑那は、妖精の国フェリーアでの生活を楽しんでいます。

そんな侑那の事を心配している父親と母親は、 警察に捜索願をだしていますが、

一向に見つからないので、警察は困り果てているようですから、一体何処にいるのでしょうか?

「ねえ、エリーズ」

「どうしたの?」

「あたしね、この妖精の国フェリーアに来てよかったよ」

「どうしてそう思うの?」

「だってね、お父さんやお母さんに会えないけど、

美味しい食べ物も沢山あるし、それにお友達もいるからね」

(もう元の世界には戻れないかもしれない)

そんな事を考えていると眠くなってくるのです。

そして、そのまま眠ってしまうと翌日になります。

そんな日々を過ごしているある日の事です。

突然大きな爆発音が聞こえてくるのです。

どうやら誰かが暴れているのでしょう。

侑那は、爆発音がする方向に向かってみると、そこには、妖精が暴れているのです。

どうやら、誰かが妖精を捕まえようとしているようです。

一体誰が暴れているのでしょう?

そんな様子をみた侑那は心配でなりません。

そうすると、一人の男性がやって来て、

暴れる妖精を捕まえようとしているのですが、なかなか上手くいかない様子です。

しかし、その男性は諦めずに何度もチャレンジしていますから、

きっとこの男性には何か強い信念があるのでしょう。

そしてついに男性の努力が実ったのか、妖精を捕らえる事に成功したのです。

「やった~っ」

と喜ぶのも束の間でした。

なんと捕まえたはずの妖精が、突然消えてしまったのですから本当に不思議です。

そんな光景を見ていた侑那は、その男性に近づいていくと男性が侑那の存在に気づいたので、

侑那は男性に

「あの、大丈夫ですか?」

と声をかけると男性は笑顔で答えてくれるのです。

どうやら、この妖精を捕まえる為に相当苦労したようですから、よほど疲れているのでしょう。

そんな男性の事を心配している侑那ですが、 きっとこの男性は大丈夫でしょう。

そんな男性の名前は、クリストバルと言いますので、今後とも宜しくお願いします。

それから数日後の事です。

いつものように朝食を食べて部屋に戻ってきた侑那なのですが、

部屋の外から誰かが呼んでいるような声が聞こえるのですが、一体誰なのでしょうか?

それは、妖精のエリーズでした。

エリーズは部屋の中へ入ってくるなり、いきなりこんな事を言うのです。

「ねえ、侑那」

「どうしたの?」

「実はね、私と一緒に旅をして欲しいんだけどいいかな?」

突然そんな事を言われても困ると思うのですが、

どうやら、妖精エリーズはどうしても侑那と一緒に旅をしたいようです。

そんなエリーズの事を見て、侑那は断る事が出来ず、

仕方なく一緒についていく事にしたのです。

そして、二人は仲良く手を繫いで、何処かへ行ってしまうのですが、

一体何処へ行くのでしょうか?

そんな二人の事を見守るように見ている一人の男性がいますから、きっとこの男性も妖精なのでしょう。

そんな男性の事は置いといて、侑那とエリーズは楽しそうに歩いているのでした。

「どこに行くつもりなの?」

「そうだね~、とりあえずね」

「とりあえず?」

エリーズは、侑那にどこに行くのか教えようとしないのです。

「ねぇ、エリーズ、本当に何処へ行くか教えて」

「それは、着いてからのお楽しみ」

侑那とエリーズは楽しそうに歩いているのですが、一体何処へ行こうとしているのでしょうか?

そして、二人はとある場所に辿り着くのです。

「ねぇ、エリーズ、ここって?」

「ここはね、妖精の村だよ」

どうやら、ここが妖精の村らしいのです。

しかし、どうしてここにやってきたのでしょうか?

そんな疑問を抱いていると突然一人の男性が近づいてきます。

その男性は、この妖精の村の村長さんだそうですから、早速挨拶をします。

そうすると、村長さんは笑顔で答えてくれるのです。

侑那は安心したのか、その場に座り込んでしまったのですが、

村長さんが心配そうにしているので、すぐに立ち上がります。

そんな様子を見ていたエリーズは笑いながら見ているだけなのでした。

それから暫くして、村長さんからある提案があるようですが一体どんな提案なのでしょう?

「ねえ、村長さん、提案って?」

「実はね、この村には、妖精の泉という物があってね、

その泉にお願いすると願いを叶えてくれるんだよ」

侑那は興味津々で話を聞いています。

そんな話をしていると一人の女性が近づいてきます。

どうやらこの女性は、村長さんの奥さんらしいのです。

そして、奥さんが持っている物は一体何なのでしょうか?

それは、小さな小瓶に入っている液体です。

一体どんな効果があるのでしょう?

そんな疑問を抱いていると奥さんが説明してくれるようです。

どうやら、この小瓶には願いを一つだけ叶える事が出来る薬が入っているそうですから、本当に凄いです。

そんな話を聞いたら誰だって試してみたくなるものですし、私もやってみたいと思っていますから、

早速試してみる事にしました。

果たして侑那は何を願うのでしょうか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る