第51話すっぺらんかー
「姉上殿」
「なんでございますか?ご主人様」
「今日は何のゲームにしますか?ゲームは一日一時間ですよね?」
「はい。そう決めてありますので。ご主人様」
「じゃあ、『すっぺらんかー』でお願いします」
「え?あれは…。一時間では終わりませんわよ」
「いいんです!『すっぺらんかー』の気分なんです!」
「それに一人用ですし。私は『見てるだけ』でございますか?」
「いえ。『協力プレイ』です。難しいところは姉上殿にお願いします」
「じゃあいいですわよ。ソフトを交換しますね。と言いたいところですが…。最近、ご主人様の視線が『ふしだら』に感じます。なので今回はご主人様がソフトを交換してください」
「えー。でも…。僕が交換した時はいつもホコリでゲームが動かないじゃないですか」
「そんなこと言って。コタツから出たくないだけじゃありませんか?」
「いえいえ。そんなことはありませんよー」
「じゃあ仕方ないですね。私が交換致しますね」
そう言ってコタツから体を出し、四つん這いで例の如く、『丸見ーえ!』な状況プラス『ガーター付きだよ!』なオプション状態でソフトに息をフーフー吹き込む姉上殿。『すっぺらんかー』を入れてスイッチをオンにし、画面にしっかりとオープニング画面が表示される。
「ご主人様!またですか!」
「え?」
「じゃあ『これ』はなんでございますか?」
姉上殿がご主人様と呼ばれるアムロ行きますの手をとります。そこにはスマホが。そしてスマホのタイプCの差込口には紐状のものが刺されている。
「え?なんでしょう?これは…?」
「ご主人様。これは内視鏡アプリと連携する『カメラ』でございますわね。よく『耳かき』をする時などにつかうものでございませんか?」
「あ、それです」
「なんでそれを私に向けてるんですか?」
「そんなあ。言いがかりですよ!僕はただ『耳かき』をしようとして『たまたま』このレンズの先端が…」
「『人ログ』に書き込みますわよ。ご主人様」
「それはまずいですね。でも…、本当に僕は『耳かき』をですね。『虚偽』の書き込みはアウトですよ」
「いいえ。ご主人様は『確信犯』でございます」
「じゃあ、姉上殿は何故、今日に限って『高級なガーター』なんですか?」
「それは今日に限って『安物のガーター』だと虚しいからです」
そして『すっぺらんかー』を始めるご主人様。
「あ、ここは難しいので代わってください。代打姉上殿です」
「えっ。始まったばかりですよ」
「いいんです。最初にいきなり難度Fですので。それより…、今回は『人ログ』に書き込みはなかったみたいですね。例の公務員の件ですが…」
「あら、よくご存じですわね。ご主人様」
そして難度Fを余裕でクリアしコントローラーをご主人様に渡す姉上殿。
「ええ。ちょっと『荒れる』かと思って様子を見てましたので。あ、ここも代わってください。代打姉上殿」
「え?またですか?」
「ええ。難度Hです」
そして難度Hを余裕でクリアしコントローラーをご主人様に渡す姉上殿。
「私もかなり注目はしてましたのですが。結局『公務員』も『人』ですからね。意識の高い方も低い方も実際に存在するのが現実でございますわ」
「でも、『公務員』は民間ではありませんので。税金で給料が支払われているのも事実ですし。『人』によって対応が変わるのはまずくないですか?」
「そうですわね。まあ、この案件以外にも『公務員』についてはいろいろと書き込みもございますし、『人ログ』の『公務員』への書き込みで大きく変わったこともありますので」
「そうなんですか?」
「そうですわよ。知らないんですか?ご主人様。あ」
『すっぺらんかー』でキャラが少し落下しただけで死んでしまう。
「あ」
「ご主人様…。このゲームはご主人様向きではありませんと思いますわ」
「でも…。『代打姉上殿』がありますので」
「ご主人様。全部私がプレイした方がいいのではないでしょうか?」
「それでは僕が面白くないじゃないですか」
「それを言ったら『代打私』だけしかプレイ出来ない私の方が面白くありませんよ」
「そうですねえ」
「そうですよ。プンプンですわよ」
「では別のゲームにしますか?その前にちょっと他の件を見てみましょう」
公務員も所詮『人』である。意識の高い人もいれば真逆の人もいる。それはどの職業でも同じである。ただ『公務員』にはいろいろな『特権』や『優遇』が存在する。もちろん『民間企業』と違って『面白さ』はないのかもしれない。ただその選択をしたのも『人』である。選択をしたのならしっかりと『地域住民』や『市民』の為にその責をまっとうする義務はある。つまらないなら『転職』した方がいい。生活をするために、『賃金』を得るために人は働く。その『職』に意味を見出すことも大事なのかもしれない。ハンコを押すだけの毎日に満足できるならそれはそれでいいのだろう。ただ、『公務員』の仕事はそんなに甘く簡単なものでもないことは理解した方がいい。彼らは志を持ちづらい環境であるのもまた事実なのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます