第4話

新しく入ったバイトの子は常連の女のコで昨日俺に告白して振った子で初めて諦めないと言った子。不思議だ、特に感情は動かないがなぜだか妙に目に入る。本当に不思議だ。俺は仕事をこの子天音さんに教えながらこの不思議な子については考えてた。


一通り教えて見たところこの子、天音さんはとても不器用な人だ。喫茶店で基本的に俺たちは接客メインで簡単な筈なんだけどとにかく鈍くさかった。あとミスると何故か俺の方をみて涙目になる。なんでだろ?


そんな普段のバイトとは違う一日を過ごしいつもより疲れたが不思議と嫌ではなかった。なんでだろ?片付けを終えて制服を着替えようとバックヤードに戻るときに店長の葉月さんから


「どうよ、どうよ?倫くん。由良ちゃんは?かわいい子よね〜なんていうのああいう子、小動物みたいで保護欲高まるわ〜」


相変わらずテンションの高い葉月さんだが今日はそれに輪をかけて高い。若干うざい。


「そうですね、たしかに子犬みたいですね。何か震えててたまに泣きそうになりながらこっちみてたので」と俺も思ってたことをいうと


「倫くん、そういうときは優しく助けてあげるんだぞ〜!そしたら一発よ!倫くんなら!イケメンでエロくて優しい。なんじゃそりゃ!完璧かよ、帰ったら新作書かなきゃ!」


と言いながら話の途中に脱線して自分の世界に入りどこかに行ってしまった。ま、あの人はいつも通りだな。


葉月さんを見送りバックヤードに行くと


「あっ!おおつかれさまです。楠葉くん。」


相変わらず噛み噛みで顔を真っ赤にして下を向きながらぷるぷるしている。本当に子犬だ。


「お疲れ様。今日どうだった?」と俺としては霞さんや葉月さん以外で初めてスムーズに会話をしてしまった。俺が普段と違う行動をしていたことに内心驚いていると


「は、はい!とてもたのしかったです。楠葉くんと一緒にいれまひたし。」


またしても真っ赤になった天音さん。そんなに恥ずかしいなら言わなければいいのにと思ったがこの子は昨日俺に告白したのだから俺のことを好きだからこういう事を言うんだろう。こういう時俺は何をいったらしたらいいのかわからない。


だから霞さんの教えをやる事にした。


「よしよし、いい子いい子」


俺は子犬みたいな天音さんの頭を優しく撫でながら前に霞さんに「女のコが勇気を出してした行動には優しく頭を撫でてよしよししたらいいだぜ!」と


キメ顔で教えてくれた。だから実践したのだが


「☆:○*・〆^×÷→あああ〜〜あうああ」


あれ?天音さんが壊れた。なぜだ?俺が今の状況に理解が追いついていない後ろで何故か葉月さんが鼻血を出しながら「眼福眼福!」と言っていたのに俺は全く気づかなかった。

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嘘から始まる恋〜俺は君を愛せない〜 無色透明 @nonono000

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