第3話
今日もバイト。今日はあの常連の子は来ているんだろうか?そんなことを考えながら用意をしてから家を出た。すでに霞さんは家を出ており戸締まりをしてからバイト先にむかった。
バイト先に着くと案の定店長の葉月さんから「今日もエロかっこいいわ〜」と謎の単語をいただきそれをサラッと交わしながら制服に着替えて仕事を始める。しばらくしていつもの時間になっても常連の子は来なかった。流石に昨日の今日では来ないか。そんなことを考えて一日の仕事を終え、制服から私服に着替えて葉月さんに挨拶をすると
「倫くん、おつかれ〜。あっ!そうだ、今日このあと新しい子が面接に来るのよ!うちは人手が足りないから即採用しちゃうから!倫くんには教育係をお願いします」
教育係。俺に務まるだろうか。それに新しい子ってどんな子なんだろ。ちょっとだけ気になったが
「わかりました。俺なりにやってみます。じゃあお疲れ様です」
葉月さんにそう言ってから店を後にした。葉月さんが若干ニヤニヤしていたのはきずいていたがああなるときの葉月さんはあまり関わらないほうがいい。
店を出たあと、今日の夜ご飯の買い出しにスーパーにいってから家に着いた。
夜ご飯を完成させ、リビングでテレビを見てると
「たっだいまー!今帰ったよー倫!」と全く疲れを感じさせない霞さんが帰ってきた。俺は玄関まで行き霞のかばんを預かり
「おかえり、霞さん。もうご飯できてるけど先に食べる?」
俺が聞くと笑顔で「たべるーー!」と言ったので少し可笑しくて笑ったあと
「じゃあ用意するから手を洗ってきて」
「はーい!」
不思議だ。さっきまでは静かで心地よかったが霞さんが帰ってきてからは凄く騒がしいのにさっきよりも心地よかった。その後二人で今日あったことなどを話しながら一緒にご飯を食べた。すると何を思ったのかじっと俺を見る霞さん。
「………なに?」
俺が聞くと
「倫、なんかあった?」
特にこれと言って今日は何もなかったので俺は「何もないよ?」と返すとう〜んと唸ったあと
「なんかな〜ちょっとだけ若干な、倫寂しそうだなと。」
寂しそう?俺が?心当たりがない。俺が首を傾げていると
「ま、なんともないなら良し!それよりおかわり!」
と元気よくお茶碗を出してきたので受け取りご飯をよそった。
寂しそうか、なんでだろ?俺には今日の出来事で何か寂しかったのかな?いつもと今日の違いなんて。
次の日もバイトだったので葉月さんに挨拶をしてから制服に着替えようとすると葉月さんが
「あ、倫くん。昨日言ってた新しい子今日から入ってもらうことになったの。じゃあはい、自己紹介よろしく〜」
葉月さんにそう言われ俺の目の前に現れたのは制服姿の常連さん。俺を見たあと緊張した様子で
「今日から働くことになりました。天音由良です。こここれからよろしくお願いします!」
と常連、天音さんが噛みながら挨拶をしてくれた。俺はほんの少し笑顔で
「常連さんですよね?改めて樟葉倫です。よろしくお願いします。」
努めて笑顔で返すとぷしゅ〜とまるで煙でも出たんじゃないかと言うように顔を真っ赤にし、膝から崩れ落ちた天音さん。それを見てた葉月さんが俺の肩に手をやり、
「今のは倫くんが悪いね」
とニヤニヤしながら言う葉月さんに俺はただただ困惑するだけだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます