平和主義者の楽園①
クラッシュオブクランではないけど、昔やってた戦争モノのゲームがあって、めちゃめちゃ楽しかったんですよ。同盟作ってメンバー集めて戦うっていうスタイルのゲームで。
たまたま、本当にたまたま、ダウンロードしたら◯◯ポイント!みたいな奴でダウンロードしてね。なんとなく始めてみて、知り合いができて。
攻撃主義の廃課金勢が多いMMOでしたけど、その中で「平和主義者の居場所」を作ったんですよね。箱庭したい人もいるじゃん?って。平和主義者の楽園をね、作りたかったんですよね。初めてやるタイプのゲームで、人相手で、とんでもなくアホなことを言ってる自覚はあったけど、実験的に。ゲームテーマと真逆の人々の居場所を作ることが可能なのか!って。
結果的に、どこぞの廃課金勢に宣戦布告されて戦争して防戦一方だったんだけど。宣戦布告された理由は、課金しない、戦争しかけない同盟の存在意義はこのゲームにおいて無い!解散しろ!ってことで。
メンバー全員壊滅させられて、納得行かないけど同盟解散したんですよね。
ただし、1ヶ月後に名前を変えて再結集するってこっそり約束して。情報交換のために外部アプリは使いましたが、全員が再結集してくれて。僕の居場所でしたね、あの同盟は。
その1ヶ月の間に、まー僕はほんと、ゲームなのにね?ほんと頑張ったんですよ。よーやったわ。ゲームなのに。
徹底的に、復讐の策を練ったんですね。ぶっ潰すと決めて、敵対する大同盟を作ったんです。えっ、汚い?それが戦争だよ。戦争に綺麗も汚いもないですよ。平和主義者の楽園を作るために、手が真っ赤に染まるもんなの。味方の手は綺麗であって欲しいのよ。
結果的に世界ランカーだらけの所も味方に引き摺り込んで、完全な包囲戦をさせてもらいました。僕ももちろん戦ったし、全体の作戦絵図を作りました(その辺りの時期に出会った仲間は僕のことを「李牧だ」と言ってましたが、その頃僕は李牧が誰だか知りませんでした)。
一方で、僕のもとの仲間達は裏からの補給線を作ってもらったり、兵力支援したり(戦争しないから資源たっぷり)。24時間攻撃し続けるために、アメリカとかブラジル、トルコのプレイヤーと接触して仲間に入れました。英語できて良かったと思ったのはこれが初めてです。
結果的に3ヶ月ほど戦いまくり、終戦。停戦交渉も喧々諤々でしたし、お相手は100万円課金して飛んだとのことですが、僕たちは目をつけられても手が出せない厄介な箱庭同盟、となりました。
派手な戦争を引き起こした結果、あちこちの人と知り合いになり、共闘することが多くなりました。仲裁、外交、指揮を任されたりとか。あちこちの同盟を渡り歩いては戦争したり外交したり、女の子口説いたり、高校生の進路相談乗ったり、外国人と夜な夜なチャットしてました。暇なのか俺。
そんな折、突然。ほんっと突然。
なかなかインしてなかった世界1位(個人戦)の人から、メッセージが来たんですよね。
「ウチの同盟来ない?」と。
まさかすぎるお誘いでした。
実はこの時期、僕がのほほーんとあちこち遊んで歩いてる最中、世界は戦争準備だったようで。まあ、きな臭いから、どことどこが繋がってるか確認して歩いてたんですけども。ざっくり分けて、ワールドが二つの派閥に分かれようとしてた時期だったんですね。元はと言えば日本人の同盟と、ドイツ人の同盟の小競り合いだったみたいですが。
で、僕は軍師として呼ばれた、というわけです。その話をメンバーにしたところ、「たまに帰ってきてくれるなら、好きにしてきてよ!戦い方教えてね」って反応。まあ外部アプリあるから、困ったときもすぐ対応はできますし? ってことで軍師として参戦を決めました。
そんな折、ちょっと小さい同盟さんから、メンバーを引き受けてくれないかと打診がありました。どうも、同盟の中で戦争したくない人、したい人に割れちゃったようで、したくない人を引き受ける感じ。こっそり30人くらいでやってたのに、なんと60人になりました。新メンバー入れるために、みんなで100円ずつ課金しましたけどね笑
サブリーダーからは僕の同盟から一人、合併したお相手の同盟から二人。こっそりやってた「世界地図の右下30%くらいは安全圏」を作るため、周辺の同盟とは平和条約を結び、いろんな情報交換をしました。肩こり解消のポイントとかね、向こうのリーダーが整体師だから。
僕の同盟は戦争したくない人の集まり。だから、仲間は僕が護るよ、ということで行きましたよ、世界一の戦闘集団へ!!あそこの軍師の同盟だってなったら、うかつに手を出せないでしょ? っていう考えで。
超刺激的な日々になるとは知らずに……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます