第11話白井さんの奢り

「ごめんね。電車が遅れていて、一応きのっちにはライン送ったんだけど、既読にならなくて、、」


 本当に急いでいたのだろう。白井さんは息を荒げていた。


「そうだったんだ。」


 携帯を見てみると、確かに白井さんからスタンプとともにラインがきている。普通に考えれば、携帯を確認すればよかったんだ。


 それにしても、今日の白井さんはエロ可愛い。制服のミニスカートは見慣れているが、私服でのミニスカートはまた新鮮だ。スラリと伸びる色白の足を少しだけ隠す紺色のスカート。そして、今にも谷間が見えそうなほど胸元があいたTシャツ。そんな姿の白井さんが僕を見つめている。


 恥ずかしい、、どこを見ていいのかわからない。僕は、少しだけ窓の方へ目を逸らした。


「遅れちゃったお詫びとして、ジュース奢るよ。」


「いや、大丈夫だよ。」


「きのっち遠慮しちゃだめ。きのっちが飲まないと私飲みにくいじゃん。走って喉渇いちゃったよ。」


「じゃあ、僕の分は自分で買うよ、、」


「それじゃあ、無理矢理買わせたみたいじゃ〜ん。ここは私に奢らせて。」


「じゃあ、烏龍茶で、、」


「おっ!さすがきのっち。大人だ。私は子供だからオレンジジュース!」


 白井さんは、フードコート入り口近くにある自動販売機へ走って向かっていった。走るとミニスカートが揺れて、さらにパンツが見えそうだ。白井さんはそれをわかっているのだろうか。


 それにしても、烏龍茶は大人の飲み物なのだろうか。いや普通に誰でも飲むでしょ。白井さんの基準はよくわからないなぁ。


「はいっ!烏龍茶!」


 白井さんは、買ってきた500mmlペットボトルに入った烏龍茶を僕に渡した。


「ありがとう。」


 白井さんにお礼を言い、ペットボトルの蓋を開けて、一口飲んだ。冷たっ!身体全体に冷たい烏龍茶が染み渡る。美味しい。僕は止まらずもう一口飲んだ。


「冷たくて美味しい〜。やっぱり喉が渇いた時はオレンジジュースだね。」


 白井さんも、走ってきて喉が渇いていたのかオレンジジュースを勢いよく飲んでいる。


「喉乾いているときに、甘いもの飲むと逆に喉が渇くような気がするけど」


「いいの!美味しければ。」


 少し顔を膨らませ、またオレンジジュースを飲む。


「よし!じゃあ、勉強しようか。」


 僕は、勉強するよう促し、席へと座った。

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ガリ勉の僕が隣の席のギャルから勉強を教えてもらうことになるなんて @rain1020

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