最強の魔導書から始まるゆるのん日常

カフェラテ

第1話 最強の魔導書

身が震えるほどに凍える厳しい冬、外は真っ暗。そしてその暗闇に真っ白な雪が先程よりも勢いをまして空中を飛び回っている。

そう、厳しい冬。しかしただの厳しい冬ではない…

そう、今日は1年に1度のクリスマス!

家族と一緒に食卓を囲んで楽しく談話し、クリスマスツリーを飾り付けし、ラッピングされたプレゼントを開ける。1年で1番楽しい日…

皆はそのはずだろう。

え?クリスマスは1番好きじゃない?人それぞれ好き嫌いがある?

そういう意見もあるだろうしかし少なくとも僕は楽しいクリスマスを味わったことが生まれて16年間一回もない

親はご存命だがクリスマスというのに毎日仕事ばっかで家に帰ってくるのをあまりこの目で見たことがない。

なので親代わりに祖母と召し使いが自分の回りのことをやってくれていた。

今年のクリスマスも親はいない…

自分で言うが人よりは少しお金持ちだ、いやかなりお金持ちだ。

父も母もどっちも日本の経済を牛耳っている財閥というまたまた自分でいうがすごい家系だ。

なので、生活に関しては何一つ不自由なく過ごせている。

今日もリビングにどでかい 着飾ったクリスマスツリー、そしてキラキラした飾りそんな贅沢な生活だった。

そうだった…


僕は夕飯の前に暇だったので家の書斎に立ち寄った。

書斎は体育館のように広いワンルーム、そして真ん中にはどでかい焚き火のストーブ、その薪ストーブの前にソファ 、そしてそしてその壁いっぱいに本棚が囲んでいる。

僕はそのうちのひとつ本棚の前に行き、「絶対に見ろ!世界のカフェ特集!」という雑誌を手に取った。

「ふむふむ、このフランスのテラス付きカフェ、めっちゃおしゃれ!今度行ーこおっと」

なお、プライベートジェットである。


「おっこのカフェもいいなー!」

すると…前の本棚が、ガタガタガタと音をたてたと思った瞬間!ゴン、と音を出し1つの本が暖人の頭に直撃!本の角が頭にのめり込む!そして手からカフェラの雑誌がこのれ落ちる。


僕はあまりの痛さに力が一瞬で抜け前に倒れ……そうな所を気合いで持ち直した。

「あっぶねー、後もう少しで気絶するところだったぜ、くそーどれだ?俺に攻撃してきた本は?燃やしたろかな?」

僕は自分の前に落ちている1つの本に目をやった。


その本は回りの本とかわらぬA4ぐらいのサイズで、表紙は今まで見たことがない文字が刻まれている。

明らかに日本語ではない。かといって英語でもない。

その表紙の四隅を光を帯びている何かの模様が囲んでいた。

裏にはなにも書いていない…

肝心の本の厚さはかなり辞書のように分厚い。

気絶しなかったのが奇跡である。


「こいつめー、どんな本が僕を苦しめたか見させてもらおうか」

僕が顔に少し笑みを浮かべその攻撃的な本を勢いよく開いた瞬間!今まで生きていて体感したことがない光が辺りを包み僕はあまりの眩しさに気を失っていた…




………

……

気がつくと、今まで見たことがない小さく、壁にランプが点々とあるだけの、みすぼらしいワンルームにいた。

「いや!何が今まで見たことがない、みすぼらしいワンルームだ!」

見知らぬ人が一人でわめいている。

どうやら心の声が出てしまっていたらしい。

「いや、お前がわめかせてんだろ!」

僕は笑顔で「初めまして遊馬 暖人です、よろしくね」

「あっこれはこれはご丁寧にどうも、私は…っておい!よくこんな状況から自己紹介できんな!」

僕はキレッキレの突っ込みをガン無視し、自分の前に立っている人をまじまじと見つめた。

「やだ!そんなに見ないでよー」

僕はぷいっとその人から目を反らした。

「おい、ホントに見るのやめんなよ」

「見るなと言われたので」

「ていうかさっきから人人言ってるけど見たらわかるでしょ、私がレディーだってことが」

僕は澄まし顔で

「わからん」と言った。

するとその女の子は少し顔を膨らませたと思った途端手から急に木の棒を出し、燃火フレイムと唱えたと思った瞬間、小さな火の粉が僕に向かって飛んできた。

「あっつあっつ!何すんだ!火傷したらどうすんだ?訴訟もんだぞ訴訟もん、法廷出会いましょう」

「何いってんの?」

すると女の子はため息を吐き、

「まあ、いいわとりあえず自己紹介するわ、私はルアよろしくね」

ここまでが長い!

ルアと名乗る女の子は僕よりも少し背が小さく変な黒っぽいトンガリ帽を被り、変な黒っぽいローブを着ていた。そして、自ら光を放っているかのごときロングの金髪だった。


僕は頭を切り替えて

「でルア、ここは?」

「切り替え早っまあいいわ、聞いておどきな!ここはなんとなんと私が経営しているカフェなのです!」

「なんで僕はここに?」

するとルアは不適な笑みを浮かべ

「ふっふっふ 、よくぞ聞いてくれた!」

するとルアはここまでの経緯を話始めた。

「あなたが開いたその本、それはこの世で最も強力な魔力が込められている、世界で最も最強の魔導書!そしてその魔導書は相応しい持ち主の前にだけ現れるという伝説がある。そしてその持ち主に選ばれた遊馬 暖人!あなたは魔導書に選ばれたとして、その魔導書を使い、魔王を倒し、新たな伝説を作る選ばれた人なのです!」

……

ルアは決まったと言わんばかりのどや顔をかましている。


僕は顔を少し傾け疑問に思ったことを訪ねた。

「なぜ僕はここにいる?」


ルアはまたまたどや顔で

「ふっふっふ何を隠そう、ここは魔王討伐部隊の隠れ家いわば本拠地。見た目はカフェ、中身は魔王討伐部隊の本拠地!そんな場所を魔導書は選んだに違いない!」


僕は今の説明に少し疑問を持った。

そう、ルアはこの場所を魔導書が選んだと決して断言していない。


僕はすかさず追求した。

「選んだに違いない?本当はなんでここに転移したのか聞かせてもらおうじゃないか?」


すると、ルアの顔から汗が次々と滲んで出ていくのが目に見えた。


「本当はどうなんだ?」


するとルアは観念したのか急に

「地下から急に大きな音が聞こえて行ってみたらなんか居ました。」


!!!!!!!!!!

「なんか僕勝手に魔導書に転移させられたーーーーー!!!」


するとルアは

「まあ、いいんじゃない?その魔導書使って勇者として魔王倒して新たな伝説つくりゃー」

なんか投げやり!!


すると暖人は急に、きょとんとし、

「じゃあ、ここのカフェ手伝うわ。丁度カフェ行きたいと思ってたし」


するとルアは目をかっと見開き、

「いや、魔王討伐しろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお?!」







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