~BEFORE 姉弟再会(2)~
「はぁ、とうとうカルカッサ様から命令が下されてしまったわ。」
「チェレスと、ラルフの抹殺、ですか……本当に、やりたくないな。」
「でも、好都合でもあるよな。」
「これを機に、ラルフの中に居るはずのラルフを呼び出せば……」
「ラルフの中に居るはずのラルフ……もしかしたら、あの子は本当に、あの狂神を倒す鍵になるかもしれない。」
「あの日の夜、アタシ見たもの……当時はただアマドリさんで呼んでいたけど、今となってはやっと正体が分かり、彼のことを狂神と呼ぶようになったの。」
「そして、彼の前に尻もちついていたラルフが、急に立ち上がって……」
「ボクの家族に手を出すな!とか叫ぶとか、すごくかっこよかったけど……」
「うへへ……今の表に居るラルフ、アタシとチェレスのラルフきゅんのほうが可愛いから、出来れば狂神を倒した後は、ラルフきゅんに戻ってほしいな。」
「そう……ラルフを呼び覚ますのは、あくまでも狂神を倒すためでしかない。」
「ていうか、アタシにとっても、チェレスにとっても、ラルフきゅんのほうが何倍もかわいいからずっと表に居てほしいよね。」
「でもでも……ラルフ君?いや、ラルフさんもカッコいくて、頼れる男なのかもしれないでしょ?」
「つまり……裏に居るラルフさんが表に出ても、カッコいくてアタシ歓喜する。表に居るラルフきゅんがずっとそのままでもそれはそれでうれしい。」
「うーー!悩ましいなー!」
「ラルフさんとラルフきゅん……あーでもでも、出来れば二人同時に出てくれないかな!?」
「ケリスのやつに試してもらいたいけど、今のあいつはカルカッサに……」
「それにしても、カルカッサのやつ……兄のくせに、ずっとアタシに頼ってばかり、本当、男としてどうなの?」
「あーあ、もしカルカッサのやつがラルフさんの数分の一、いや、数十分の一、いやいや、数万分の一のかっこよさがあればなー。」
「あっ、いろいろ悩んでいたら信吾出したな、チェレスのやつ。」
「よし、じゃあ……始めますか!」
(終わり)
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