~BEFORE 幻との接触~

「……なんだか、この辺りに変なのがいない?」

「変なのってなんですか、主様。」

「あぁ、そうだな。例えば……お化けですかね。」

「お、おおおおお化け!?い、いいいい無いでしょ、居るわけないでしょ!何を仰いますか主様!」

「あら、ずいぶんと動揺してるな。さては怖いんだろう~?」

「べ、べべべべつに、こ、怖くないしー?お化けなんて全然余裕だし?」

「……」

「なんですか、その目は。アタシの後ろに、何かいますか?」

「ひぇ!う、後ろ!」

「いやあああああ!!助けて主様!」

「なーてね、冗談だよ。」

「も、もう!!!主様のバカ!」

「いたっ!いくら何でも叩くことはないでしょ!?」

「もう主様なんか知らない!計画なんか一人でやれば?もう!」

「……あらら、怒らせてしまったか。」

「……」

「あれ、何か、声がするような……?」

「いやああ!!助けて助けて、主様主様助けて!」

「ど、どうしたの、そんなに慌てちゃって。」

「で、ででで、出たの!」

「出たの?何が?」

「お、おばばば、おばけがががが!」

「お化け?まっさかー。」

「だ、だって、あ、ああ、アレアレアレ!見てアレ!」

「あれって……お?アレは……?」

「ほらやっぱり!お化けが、お化け怖い怖い怖いいいいい!!」

「……少しは冷静になってくれ。アレはお化けじゃない。」

「ほぇ?じゃ、じゃあ、何ですか?」

「そうだな、強いて言うなら……」

「強いて言うなら?」

「……歴史の残滓、でしょうか。」

「歴史の、残滓?」

「プリスティン=ハーモス……まさか、表に出てきやがるとは、思いもしなかったぞ。」


(終わり)

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