~BEFORE ハイム=エリハイア~

 「これは……違うな。これも?いや、違うな……どこだ、『神』の痕跡が、証拠が!」

  「これはいかがですか、王様。」

  「おう、助かる。やはりアンタが居て助かるよ、アイリス。」

  「いいえ、王のために働けるのであれば……」

  「ふむ……神の記述はあったけど、アイツが神だという証拠にはならないな。」

  「そう、でしたか……力になれずに、申し訳ございません。」

  「なぁに、大丈夫さ。さてと……これはどうだ?」


  「おっと、どうした?」

  「これ、ご覧になってください。」

  「これは……なぜだ、なぜこれが残されているんだ!?」

  「……」

  「やめてくれ、そんな目でワシを見ないでおくれ!ただの本じゃないですか、いやーはっはっはっは……」

  「……」

  「……」

  「……」

  「……すみませんでした。隠れてこんな本を読んでいたのです、誠にすみません。」

  「はぁ……いい年した大の大人が、まったく……」

  「い、いいのではないですか!こ、これでも男ですぞ!?」

  「はいはい、わかったわかった。」

  「はぁ……」


  「おや、これは……!これでわかる、今回の騒動を起こしたやつは!」

  「見つけたぞ、こいつが、やっぱりこいつが!」

  「光明魔王、アマドリ=スー!貴様が……!!」


(終わり)

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