第55話 凍結
そして、間を開けずに起こる地震。
「この地震、
そして、僕は
「
そこには
一方、
「また地震……心なしか、この地震がダンジョンをリセットしてるような……」
「ファイアースターターッ!」
ボワアアアアアアアッ!
火炎放射でモンスターを焼き尽くしていたのは、
「
思わず
「お姉ちゃん! ……私」
「うん、怖かったよね? もう大丈夫よ。お姉ちゃんがついてるから」
「私、このゲームすっごく楽しいっ!」
顔を上げた
「はあ……まったく、あんたってやつは……なによ、こんなゲーム、ただ同じ地形の部屋を渡り歩いてるだけじゃない。ワンパターンよ? 何が面白いの?」
「だって、まるで自分の身体で戦ってるみたいなんだよ? これを発展させて、できることのバリエーションを増やせば、一生楽しめるゲームができるに違いないよっ!」
「あんたってば、クリエイター向きのいい性格してるわね」
「っと……
「ううん、お兄ちゃんにも会ってないし、他の人にも会わなかったよ?」
「そう、ならよかった……
「だから?」
「そうね、バラバラに行動するのよ……一緒にいてあげられないけど、ごめんね」
「あはは、お姉ちゃん変なの。これはゲームだよ? ひとりだって平気だよ。でも、ゲームであったとしてもお姉ちゃんと戦うのは嫌かな……だからいう通りにするよ」
「私もよ。いい子ね」
こうしてふたりは離れ離れで行動することとなる。
「私はこっちの部屋に行くよ。じゃあね、お姉ちゃん」
「うん、またリアルで……」
「
「うそ……!」
パリーンッ!
――
「
「あなたですか……」
そこには、
「あんたっ! よくも妹をっ!」
ブラッドレインを構えて踏み込もうとする
「……それ以上近付けば、撃ちます」
「くっ……!」
部屋の真ん中に落ちたファイアスターターに一瞬目をやるも、
「これは、頂いて行きます」
扉の中、電車の連結部のような短い通路に居る
ビュンッ!
間一髪、氷の矢が
「ひっ!」
「退いて下さい。次は当てます」
「あんた……」
「早く……! その扉から出てゆくのです」
「次は……こうはいかないわよ……!」
目の前で
「……ファイアスターター」
[
「ふふ、やっぱり、こうすれば使えるのですね」
「うおおおおおおおおっ!」
その瞬間、扉が開き、
ザンッ!
瞬時に飛び退く
「ううっ……!」
怒りにより勢い余った一太刀がダンジョンの床に食い込み、一瞬動きを止める
「黄色……くっ! こんな時にっ!」
ゲームのシステムにより、1人しか通れなくなっている扉は、閉まるまで開くことができない。そんなゲーム特有の現象に苛立ちを覚えつつ、
「待ちなさいよっ!」
しかし、次に扉を開いた時には
「ふう、あやつめ、自分から襲い掛かってきておいて、てんで弱かったではないか……まあ、この盾と槍のお陰でもあるがの……」
その時マノリアは、
「やっほ、
「キミは、さっきボクに倒されたんじゃ? まさか……」
「そう、私は
「ふんっ! ……はぁぁっ! ……おおおおっ!」
「ふむ、なるほど、リセットされたことを悟らせないように、プレイヤーの居る部屋だけは光の色が変わらないんだね」
しかし、その時扉が開き、瞬時に彼女を襲ったのは――
「
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