第49話 開幕
「……でも、それっておかしくない?」
「もう、みんな乗り気になってくれたのに……どうしたの?
「あんたはなぜ、私たちをここに呼んだの? 兄貴なんて、勝手に記憶をコピーして、勝手に殺せばよかったんじゃないの?」
「ああ、言い忘れてたよ、私はね、自分が
「そう……私に勝つ自信があるってこと?」
「そりゃね。私は
「ち、違うわよっ! 兄貴が死んだら寝覚めが悪いでしょ! だから……」
「本当にそれだけ? キスまでしておいて?」
「う……そんなところ、見てたの……?」
「ふふふ……」
「兄貴と離れたくないって思うことの……何が可笑しいのよっ! そのふざけたゲームとやらをクリアして兄貴が取り戻せるなら安い物……しょうがないからやってあげるわよ」
「
「お姉ちゃん、私だってそうだよ」
「ま、おにいがいない世界なんてつまんないだろうしね~」
「お兄様を救うことで
「わしの兄上を情報ごときに独り占めされたくないからのう」
「じゃあ、準備はいいんだね?」
「始めるよ……」
6人の頭に椅子の背もたれからヘルメットが被せられる。すると、僕の目の前のモニターの映像は、今僕が居る部屋と似たような白い光が走る部屋を映し出す。そして、そこに6人がの姿がじわりじわりと現れる。
「ここが、VR空間……」
「みんな、無事に入れたようだね。初めまして……でいいのかな?」
「ここはどこ? これからどうすればいいのよ?」
「ここは、始まりと終わりの部屋……さ、みんな、このガシャポンを回して武器を手に入れようね。この先こわーいモンスターが襲ってくるんだから」
「なるほど、敵を倒しながらダンジョンを探索して、
「そうだね、さ、
「これは地属性の武器、
「さ、
「……アースアンカー!」
[
システムメッセージであろう。
「ふふ、じゃあ、次は
「はい」
ガシャポンから現れたのは紫色のカプセルだ。
「これは冷属性の武器、
「リフリジェレイター……!」
[
そして、次々とガシャポンを回してゆく女性たち。
「赤いカプセルということは炎属性、
「ファイアスターター!!」
[
「黄色いカプセルは雷属性、
このみが引いたのは、三又で金色の刀身を備えた槍であった。
「ディスチャージャーッ」
[このみさんと
「青いカプセルは水属性、
マノリアが引いたのは、サンゴ礁のような色とりどりの模様が美しい、ラウンドシールドだった。
「グレートバリアリーフ」
[マノリアさんと
「じゃあ、私も回せばいいのね……」
「うん、残りは2つ、残り物には福があるっていうけど……」
転げ落ちたのは黒いカプセル。
「これは闇属性の
現れたのは黒い刀身が血のような赤い光を反射する刀。
「……ブラッドレイン!」
[
「じゃあ、最後は私だね」
「やっぱり、あなたも参加するのですね」
「
そう言いながら回したガシャポンからは、緑のカプセルが転げ落ちる。
「風属性の剣、
その武器は、柄の両端に50センチメートルほどの刀身がプロペラのように互い違いの角度で伸びているものだった。
「サーキュレイターッ!」
[
「じゃあ、始めようか!」
「
「ふふ、自分の境遇が分かった? まあ、私と一緒にずっとここで暮らすのも悪くないでしょ? そうそう、彼女たちには言い忘れたけど、私が勝った場合、彼女たちの脳から
「そうなのか……」
「じゃあ、私は
[シスターウォーズ、ゲーム開始です。制限時間は残り180分]
そのメッセージのあとに、1秒ほど部屋全体が揺れる。僕は
「
しかし、そこには
「僕は何をすればいいんだ?」
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