15

朝起きたら、祖母が毛布をかけてくれていた。

「おばあちゃん、おはよう」

私はおばあちゃんの部屋のソファで爆睡していた。おばあちゃんはテーブルに朝ごはんののったトレーを持ってきてくれた。

パン、目玉焼き、コーヒーが並んでいた。私はコーヒーにありえないほどの砂糖とミルクを入れ、それらを食した。

「おばあちゃん、これから私たち、どうすればいいのかな」

兄と姉が私を狙っている。こうしている間にも、攻撃されてもおかしくない。

おばあちゃんは、ゆったりとした仕草で読んでいた本を置いた。

「説得するのが一番じゃないかな」

おばあちゃんはそう言った。

「そのために、作戦を練らないとね」

私たちは1日がかりで作戦を練った。目標は、兄と姉に、私の能力をわかってもらうこと。作戦作りは難航した。

どうすればあの二人の誤解を解けるのか、さっぱり見当もつかなかった。

 その時だった。

私たちの前を風が過ぎ去ったのだ。室内なのに、どうして風が?

それをおばあちゃんに聞く前に、おばあちゃんは泣きだしてしまった。

「おじいさん、あなたなのね」

おばあちゃんは両目を大きく開けて、あらん方向に目を向ける。

「何、どうしたの?」

「おじいさんが、私たちに力を貸してくれているのよ」

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