11
「私を守ってくれてたのにごめんなさい」
しんと静まり返る。
「顔をおあげ」
祖母は優しかった。
「孫が祖母に謝ることはないわよ」
優雅に。
「守るのは自然なこと」
祖父を殺したかもしれない私に、嘘偽りのない笑顔を見せてくれた。
そんなおばあちゃんに、私はついて行こうと思った。
祖母と戦う一週間のために。
「アリスちゃああん」
声がどこからともなくする。それらは足踏みを揃えてやってくる。
姉と兄だ。
祖母が私の身体をぎゅっと抱きしめた。
「大丈夫、あなたを渡しはしないから」
祖母がとても頼もしく思えて、涙を拭う。
「あなたが泣いたから人が死ぬなんてことはありえない。大丈夫よ」
ママとパパの言葉を、ただ純粋に信じていた。
祖母は初めて違うと言ってくれた。
やがて、やっと扉が開く。そこにはニヤついた姉と兄がいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます