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二人は悟ったのだろう。私が祖父を殺したと。悟ったから今のうちに愛することにしたんだ。生きているうちに。

吐き気が込み上げてきて、慌ててトイレに駆け込む。今私を狙ってるのは祖母じゃない。あの姉兄なのだ。いつも笑顔を返してくれた姉、おんぶしてくれた兄。これまでのことが一気にフラッシュバックする。

涙がぽたぽたとタイルを濡らした。

「本当に私がおじいちゃんを」

殺した、と口にすることがどうしてもできなかった。一旦落ち着こう。

まだ証拠が出ているわけじゃないんだから。

そう考えて、私はトイレを後にする。

姉兄の疑いを晴らさなければ。祖父の死について、何かデータは残っていないだろうか。

祖母の部屋に走って入る。いつの間にか涙が溢れていた。今も姉兄は私のことを探しているのだろう。怖くて身体が震えた。

「おばあちゃん、私がやったの? 私がおじいちゃんを殺したの?」

祖母は何も言わなかった。確かに、私はおじいちゃんに会いたくて泣いたことがある。あれは演技で泣いていた。それでも、人を殺す力があるのだとしたら。

おばあちゃんは何も言ってくれない。

「何か言ってよ、おばあちゃん」

ただ黙って、やってくる足音に耳を澄ましている。

私は崩れ落ちた。崩壊した。やっぱり私がおじいちゃんを殺したんだ。

「もしそうだとしても」

おばあちゃんがやっと口を開いた。

「あなたは私の可愛い孫」

立ち上がった。

「必ず守る。おじいちゃんとも約束したの。あなたを守る」

祖母が私の頬にキスをした。

やってきた足音がもう間近に迫っていた。

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