私たちは家に入ってたわいもない話をした。エリザベスの日々の暮らしの怠慢さから、ランスロットの頭の良さ、そして私のことにまで話は発展した。アリスちゃんは今日も可愛いねえと三人からの視線が集まる。私は5歳児がどういう時にどういう反応をするのか全て知っている。

出かけられて嬉しいというポーズは崩さなかった。

「でも、混んでなくてよかったよね」

「そうだなぁ、数日はここでゆったりできるんだもんな、最高だよ」

祖母は一瞬だけ口をつぐんだ。

「ほら、おじいさんが亡くなってしまってから、ここも寂しくなってね」

祖母が祖父の話をすると、みんな下を向いた。私も下を向いておく。

少しの時間が過ぎて、祖母は明るさを取り戻すように言った。

「まあでも、いつまでも引きずっていてはダメよね。私も早く、立ち直れるように頑張るわ」

「うん、みんなで一緒に乗り越えていこう」

「そうだよおばあちゃん、俺たち、何かあったら全力で手伝うからね」

孫たちの言葉に、祖母は少し目頭を熱くさせていたようだった。

「ありがとうね、本当に」

そして祖母が出ていった。その瞬間だった。

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