第4章 - ブレイクタイム


   9


〜灯方高校 カフェテリア〜

 零也は昼休みの間は大抵カフェテリアに居る。学校から帰ると勉強をするのだが、如何いかんせん途中で睡魔が襲って来る。9時間睡眠を心掛けているがどう足掻いても寝てしまう。なので、ここでコーヒーを飲んで目を覚ますのだ。モンスターも効果的だが毎日210円を消費するのは財布の紐が緩んでしまう。いくら高得点を取っても元が取れない。


店員「お待たせ致しました。ブラックコーヒーとカフェラテでございます。」

よもぎ 「えー零也くんブラックコーヒーとか大人過ぎ〜」


 頼んでおいたコーヒーが届いた。


零也「うん。落ち着くんだ。」

蓬 「って言いながら砂糖を1杯2杯と入れているんですがっ。」

零也「だってそのままは苦過ぎる...」

蓬 「前言撤回。まだ舌は未熟だね〜」


 最近は蓬と一緒にカフェテリアに居ることが多くなった。経緯いきさつは2週間前にさかのぼる。



〜2週間前 灯方高校2階廊下〜

 零也は皆さんご察しの通り、友達が居ない。つまり陰キャ。

入学して間もない頃、

モブ「零也ッ!」

零也「うおっ」

と、クラスメイト(以下モブ)から突然肩を叩かれたりなど時々あった。が、


零也「誰?」

モブ「ねえねえ、今何してんの?」

零也「誰?」

モブ「暇ならちょっとトイレ一緒行こうやー」

零也「刺すぞ」

モブ「えっ?あっ...すみません......」


っていうモブとの会話以来、色んな人から距離を置かれている。

そんな中、唯一ゆいいつ(実質1分)話したことがある蓬が同じクラスなので会話をするようになった。


〜1週間前・放課後 灯方高校Iクラス教室〜

蓬 「ねえ...」

零也「...?どうしたそんな顔を赤くして...」

蓬 「後でカフェテリアの前まで来て...」

零也「お...おう...」


っていう会話。ここで大抵の陽キャは「告白じゃね?ww」みたいなことを言う。


〜同時間帯 灯方高校カフェテリア前〜

零也「で、どうした?」

蓬 「あの...実は零也さんにお願いがありまして...

   一緒にカフェテリア行きませんか?」

零也「なぜ僕なんかと...」

蓬 「大体カフェテリアって2人以上でべらべらと駄弁だべったりするものでしょ?」

零也「それで一緒に行く人(≠友達)が居なかったから丁度いつも一人で暇してそうな陰キャの僕が使えると」

蓬 「そうなの...あ!いや!ちがう!」

零也「......。」

蓬 「本当だから!!」

零也「まあ、引き返す理由も無いし行くよ」


そして、こうなったのである。ここで陽キャは大抵、「お前に告白とか無いよなあwww」みたいなことを言う。



 そんな感じでよく一緒にカフェテリアへ行くので次第にタメ語になって(蓬は既に半分タメ語)気軽に話すようになった。


 ちなみに蓬はいつも遅れてやって来る。

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