第7話 中学生時代②

「おい、聞こえなかったのか?俺は何をしていると聞いている!」

 俺がそう聞くと全員真っ青になった顔がさらに真っ青になった。


「確かレイプシーンを撮影してネットにばらまくって言っていたな?」


「そ、それは────っ!?」

「黙れ」

 そう言うと川島とかいう女は口を閉じた。


「こういう言葉を知っているか?」


「──?」


「因果応報」

 俺がそう言うと女達は体をさらに震わせ怯えたような顔をした。


「まあ、自分達がやったことだやられる覚悟が当然あるのだろう?」

 俺がそう問いかけると────


「───っお、おら!」

 男の一人が殴りかかってきた。


「俺に向かってくるとは───」


「分をわきまえろ痴れ者が!」

 そう怒鳴り腕を振るい殴り飛ばした。

 男は錐揉みをしながら十数メートル先まで吹っ飛び壁に激突し倒れそれからピクリともしなかった。


「ひ、ひいぃ───」

「う、嘘………でしょ?」

「ま、マジかよ───!?」


「さてと、あとは貴様らだ」


「や、やめ───」


「黙れ」

 俺はそう言い二人目の男の腹を蹴り抜く。

 すると男はさっきと同じように吹っ飛び気絶した。


「フン」


 俺は残りの三人を吹っ飛ばした。


「さてと貴様らはさっき言った通りだ」

 そう言い振り返る。


「──────っ!?」


「因果応報、自業自得だ」


「ま、待って─────!?」


「どうした?」


 俺に待ったをかけたのはイジメられていた女だった。


「あ、あの────」


「何だ?」


「ゆ、許してあげてくれませんか?」


「何?」


「わ、私は大丈夫ですから」


「本当にそれでいいのか?」


「はい!」

 

 満面の笑みでそう言った。


(甘さ………いや違うな……これは優しさか)


 俺は三人の女達に向き合った。


「彼女に感謝しろよ?」


「な、何で─────?」


「だって嫌じゃないですか?」


「だ、だって私たちは─────っ!?」


「これからは仲良くしてください!」


「「「う、うえぇぇぇぇん!ごめんなさいぃぃぃ!」」」


「ふふ、泣かないで下さい」


その姿を見て俺は静かに去って言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る