第6話 中学生時代①
美由紀と初めて会ったのは中学2年の9月だった。あの時のあいつはクラスメイトの女子からイジメを受けていた。俺が居なければどうなっていたことか。
~中学生時代~
「フン、つまらん」
俺の前には山があった。山と言っても富士山や大嶽山などの山ではなく人間の山だ。
此奴らはこの俺に挑み掛かって来て無様に負けた負け犬共だ。
突然だが俺には前世の記憶というものが存在する。かつて中国大陸にて秦を滅ぼした西楚の覇王項羽だ。彼の記憶だけでは無く力も俺は受け継いでしまったようだ。まあ一種の先祖返りだろう。覇王としての記憶があるせいか俺の性格や精神は彼に近しいものとなっている。
「ああ、つまらん!弱い!弱すぎる!」
(ああ、退屈だ───)
「誰かこの俺と戦うに相応しい戦士は居ないものか────」
(以前神奈に「もし居るとしたらあんたと同じ先祖返りだけだろう」と言われたので探してみたはいいもののなかなか見つからない)
「はあ~」
思わず溜息を吐いた。
すると─────
「や、やめて………!」
どこからともなくそんな声が聞こえてきた。
「ふむ、場所はあっちか」
俺は声が聞こえた所に向かって走った。
そこに居たのは一人の女を三人の女が取り囲むように立っている姿だ。
(ふむ、イジメか?)
取りあえず俺は様子を見ることにした。
■美由紀Side
私はイジメられている。その主犯は川島理央ちゃんとその取り巻きの高垣彩花ちゃん、宮守梨華ちゃんの三人。私をイジメる理由は理央ちゃんが好きだった人が私に惚れてしまったかららしい。
名前は確か相川悠時くんだったはず。彼は容姿端麗で文武両道だけど性格が悪いみたい。この前私のことを性処理玩具にしか思ってなかったみたいだし、だから告白された時は断った。
でもそれが返ってむかついたみたい。
「私はね良いことを思いついたの」
理央ちゃんがそう言った。
「い、良いこと……?」
な、なんか嫌な予感がする。
そう思っていると何処からか五人の男子が出てきた。
「今から此奴らに犯されるとこを撮影してネットにばらまくってやつ」
「え………!?」
「おい、川島本当に良いんだな」
「ええ、思う存分犯かしていいわ」
そう理央ちゃんが言うと男子達はニヤニヤと笑い私の体を掴む。
「い、いや……や、やめて……!?」
「あっはははははは!!!いい気味ね!」
「ほら、御礼を言わないと」
「そうそう、私を犯してくれてありがとう御座いますって!」
三人がそう言うなか私は男子の手で制服を脱がされ下着も脱がされようとした時───
「おい、お前らそこで何をしている?」
そんな声が聞こえた瞬間体が押し潰されそうな重圧感を感じた。どうやら私以外の皆も感じているようで顔を真っ青にして体を震わせ冷や汗をかいている。
「おい、聞こえなかったのか?俺は何をしていると聞いているんだとっとと答えろ」
そこに居たのは赤い瞳をした圧倒的な覇気を身に纏った一人の男子生徒だった。
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