第2話 やり直し

私は今、友人と下校している。

昨日、友人は死んだ、いや正確には今日死ぬ。


***

「18時30分、死亡確認」

そう、冷淡に一言添えたのは、友人の死亡確認をした医者であった。

その時の私は、呆然と立ち尽くしていた、何が起きたのかも分かっておらず自分がいつのまにか病院にいて、となりには友人の家族が膝をつき声を出しながら泣いていた。

友人が死んだ後の記憶はここからだった。


私は、その後、来た、母親と父親と共に帰宅した。

私が、暗い顔をしているせいか、二人は静かにこの日を終わらせようとしてくれた。

そのせいか、夕食の記憶は全く無く、何を食べたのかすら覚えてない。


***

「眠れない・・・」

23時15分、時計の針はそう示していた。

あまりの事に、一杯一杯になっていた、気持ちを落ち着かせるため、散歩に出掛けた。


散歩をし始めるて20分ぐらい経っただろうかぐらいに、ポツンと鳥居があった。


「こんなところに神社何かあったっけ?」


そう呟いて、入って見ると奥の方に社があり何故かは分からないが何度も来てるような印象を受け、私はたまらずに『今日がもう一度来ますように』と願った。


願った後、私は記憶が途切れ、朝目を覚まし、学校に行くと日にちが変わっておらず、友人がそこにいたのだった。


***


そして今、友人と下校をしている。

前回と同様ならもうすぐ彼女は工事中の事故により鉄骨の下敷きになる。

「ねぇ、どうして上を向きながら歩いているの?」

友人は、不思議な目をしながらそう言ってきたの私は「安全確認!」とそう言いながら彼女の方に振り向いた。


その時、前回とは違う行動をとっているのに今ここで彼女が死ぬとわかってしまったその時、


「長生きしてね」


前回と同じ台詞をはいた瞬間、猛スピードで走ってくるトラックがガードレールを飛び越えるのが見えた時、彼女はそのまま引かれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る