未来の無い子

クラットス

第1話 終わり

高いビルが横に並んでいるこの道は、私が使っているいつもの通学路、目の前にいるのは私の大切な友達。

この友達は今日死ぬ事が決まっていた、何故なら既に彼女の頭上には沢山の鉄骨が降りかかるところだ。

すかさず私は、その友人を突き飛ばした。

友人は、突き飛ばされた後「何するのよ!」と抗議するため私の方に振り返った。

しかし、その抗議の声を許さないかのように私は最後の言葉を放ったあと『ぐしゃり』という音が聞こえたのと同時に視界がブラックアウトした。


***


「あぁー」

嫌な夢を見た、最悪だ、一日の始まりの目覚めが自分の死によっての起床。

このような、夢を見たら学校なんて行きたくなくなるのは私だけだろうかいや違うだろう、自分が死ぬ夢を見たらテンションはダダ下がりだ。

だがしかし、学生の本分は勉強である、嫌な夢を見て学校を休みたいなんて言おうものなら笑い者にされる。

「気分は乗らないけど、行く準備をしましょう」


私は、そう独り言を発すると、


「ごはんよー」


と、一階にいる母親のモーニングコールもとい朝食が出来たとの声が響いた。


***


「という夢を見たのよ」


私は学校にしっかりと登校し、毎日顔会わせる友人と今朝見た夢の話をした。


「私のために命を張ってくれるなんてありがとう!」


「ありがとう」、最後の言葉を言いきった時何故か一瞬だけ表情が暗くなった気がした。


「でもね、例え私のためでも自分の命は大切にしてね!」


続けざまに、そう言ってきたので、


「当たり前じゃん、例え親友でも自分の命大事だよ」


私はそう、笑いながら返した。


***

キーンコーンカーンコーン


「帰ろー」

いつも通り、彼女は、下校時間になった私の所に来た、

「帰ろっか」


学校を経つと、夢で見た、いつも通りの交差点に来たのであんな目に合いたくないと慎重に歩いていた。


「何してるの?」


友人は私の不審な動きに対して苦言してきた、


「夢が正夢にならないように慎重に歩いてるのよ!」


そう言うと、彼女は「ふーん」と言ってそのまま前を向き歩きだした瞬間、


「おーい!」


何故かは分からないがこの声が私に向けられた声だと思い振り返った。

しかし、そこには誰もいなかった、確かに呼ばれたと思っていると。


「ねぇー」


という声が聴こえた、その声は友人のものだったので生返事で「なにー?」と返しながら、先程自分を呼んだ声の主を探していると、


「今日の貴女の夢の話の続きなんだけどさ!」

何だろうと思い、振り替え始めると、

「私より長生きしてねーー」


そして彼女は鉄骨に押し潰された。



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