第16話- くりいろ

ずいぶん地味な色にしたのね、私の着ている作務衣をみて、母がカラカラ笑った。


祖母の箪笥から見つけた反物で手付かずで置いておくのも勿体ないと、作ったのだ。


地味かなと鏡に映る自分を見ると、後ろで笑う母の顔に祖母の声が重なったような気がした。


お婆ちゃんも地味だと言いたいのかな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る