第15話- 木刀

幕末の剣士を気取って夕暮れ木刀をたずさえ、河岸を歩いていた。


先の方の柳の木、いかにも幽霊が出そうな雰囲気だった。


通り掛かると後ろからか細い声が

こんばんは、どちらへ


出たな、と思い振り返りざま、上段から一気に切り込んだ。


幽霊が半身になって崩れていく、見事な袈裟掛けだった。

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