202011 ジャパロボ 59

渋谷かな

第1話 ジャパロボ59

「どけ! 私の邪魔をするんじゃない!」

 祐奈はジャパロボ・エンペラーで皇帝城に突撃を試みる。

「祐奈隊長!? やめて下さい!? 何をやっているんですか!?」

 警備ジャパロボの静止を振り切って飛び込んで行こうとする祐奈。

「謀反だ!? 祐奈隊長がご乱心なされたぞ!?」

 こうして祐奈のクーデターは大日本帝国に知れ渡る。

「おまえたちを撃ちたくない! 私の邪魔をするな!」

「ですが!? 警備が私たちの仕事ですから!?」

 仕事熱心な警備の人。

「私の父! 森田皇帝は戦死された!」

「なんですって!?」

「父を殺した犯人はAIロボットだ!」

「AIロボット!?」

「今、皇帝城にいるのはAIロボットなんだ! 世界に戦争を仕掛け、多くの悲しみを生み出したのはAIロボットなんだよ!」

「そ、そんな!? バカな!?」

 愚かな戦争を起こしたのもAIロボット。そして、そのAIロボットを作りだした愚かな人間。

「私は人間の責任を取る! これから私はAIロボットを討つ! 私を信じてくれ!」

 祐奈の想い。

「何が何だか分からない!?」

 いきなりの情報量の多さに混乱する警備兵。

「私が次の皇帝になる!」

 祐奈の決意。

「なっ!?」

 警備兵たちは祐奈の言葉に動きを止める。

「祐奈皇帝に敬礼!」

 警備兵の誰かが大声で叫んだ。そして次々と祐奈に敬礼をする警備兵。

「ありがとう!」

 自分を信じてくれたことに感謝する祐奈。

「行ってください。私たちも眠り姫のファンです。あなたの言葉を信じます。」

「ありがとう。私が皇帝になったら、あなた方に私の親衛隊をお任せします。アハッ!」

 祐奈は皇帝城に向けて加速していく。


「なんだ!? この数は!?」

 皇帝城では無限のジャパロボが祐奈を待ち構えていた。

「ニンゲンヲハイジョスル!」

 大日本帝国のジャパロボたちが祐奈に襲いかかってくる。

「こ、こいつら!? AIロボットか!?」

 そして大日本帝国の無人ジャパロボには祐奈の戦闘データが組み込まれている。

「もう一人の私!?」

 祐奈と無人のAIジャパロボの戦いが始まる。

「クソッ!? キリがない!?」

 倒しても倒しても湧き出してくる無人のジャパロボ。

「私は皇帝城にはたどり着けないのか!?」

 終わりのない戦いに弱気になる祐奈。

「諦めないで!」

 祐奈の危機に娘のイリスが駆けつける。

「おお! 我が娘よ!」

「何を弱気になっているのよ! お母さん! おじいちゃんに約束したんでしょ!」

「お父さん・・・・・・約束。」

 祐奈の脳裏に無念の死を迎えた父の姿が思い出される。

「お母さん! 皇帝になるんでしょ!」

「すずもいますよ! アハッ!」

 さとみとすずもやって来る。

「さとみ! すずちゃん!」

「お母さんが皇帝になってくれないと、さとみが将来、女王様になれないじゃないですか!」

「ここは私たちにお任せあれ! アハッ!」

「ありがとう。」

 祐奈は娘たちと娘のお友達に支えられている。

「私もいますよ!」

 援護の弾幕を討ちまくりながら優子も現れる。

「優子!」

「私もチーム祐奈の一員ですから。行ってください。祐奈隊長。」

「ありがとう。優子、おまえも私の娘だよ。」

「そのつもりです。」

 祐奈と優子の隊長と隊員の関係を超えた信頼がある。

「イリス! さとみ! すず! 優子! ここは任せたぞ!」

「はい! 」

 祐奈は皇帝城に一直線に突撃する。

「お母さんの侵入経路は私たちが作る!」

「くらえ! ウンディーネ・ウォーター!」

「くらえ! シルフィード・ウインド!」

「くらえ! サラマンダー・ストーム!」

「くらえ! ノーム・ランド!」

 四大精霊たちの力で無人ジャパロボを倒し、祐奈の皇帝城に続く道を作りだす。

「いけ! お母さん!」

 祐奈が皇帝城に入って行くのを見届ける4人。

 つづく。

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