第9話 VRゲーム部(仮)


「それで快、部員はこれで揃ったが、顧問はどうするんだ?」


「それについてだが、放課後に話があるってよ」


「誰から?」


「そいつは、後でのお楽しみだ」


 快の言い方に、魔王軍は若干の不安と期待の両方を抱きながら、その場は一旦お開きとなった。





 ―――――――――――――――――――  

(放課後)


 良たちは、快に連れられ職員へと向かった。


「失礼します。華黒先生居ますか?」


 良と快を先頭に一同は職員室へと入って行く。


「鏡、九条。こっちだ」


 良たちは呼ばれたほう、華黒の元へと向かう。


「九条お前が来たのは例の件だな?」


「はい。どうなってますかね?」


「ちょっと待て……」 


 華黒が机をあさり、何かを探し始める。

 

「快が言ってた顧問ってもしかして……」


「そう、華黒先生だ!」


 どうだ、といったように言う快に良は首を傾げる。


「何でまた、華黒先生に……?」


「そいつはな……」


 良と快が喋ってる間に華黒は目当てなものを見つけたらしく快に声をかける。


「あった。鏡、九条、あとその後ろにいる一年生も、これに必要事項を書け」


 華黒が差し出したのは部活の申請書。

 良たちは早速申請書を書き込む。


「あの〜、華黒先生?空さんは一応、三年生なんですが……」


「空?って、天龍空か。まさか成績優秀者で屋上登校しているお前が部活とは……。理事長の部活強制も優秀者の権利でスルーできるお前が、どういう風の吹き回しだ?」


「別に。……キョウがいたから」


 空はそっけなく言う。


「え〜。空ちゃん先輩、私たちのことはどうてもいいんてすか〜?」


 姫は空の、肩を掴みながら言う。


「そんなことはない……。だから姫、離れて。暑い」


 空は一見そっけなくだが、少し照れたように言う。


「そっちの二人は初顔だな」


 華黒は姫と剣を見ながら言う。


「はじめまして。一年生の虹明姫乃です」


「同じく一年、如月剣人です。この度は顧問を引き受けてくださりありがとうございます」


 二人は華黒に自己紹介をする。


「ああ、その事だが。……少し面倒なことになっている」


「華黒先生どういう事ですが?」


 良は華黒に聞く。


「お前らも知っての通り、新理事長が部活の強制入部を言ってから数多くの新部活の設立申請がきている」


「ああ〜。学校掲示板でもありましたね色んな変な部活」 


 姫は華黒の言葉に頷く。


「だが、私たち教師も流石にそんな多くの部活を管理できない。と言う訳で、似たような部活同士を戦わせて、ある程度部活の数を制限しようとしてるんだ」


「なるほど。え?戦わせる?」


「やはり特殊ですね。この学校は」


 良は驚き、剣人は謎の納得をする。


「戦い。まぁ、要するには試合だ。お前らは今のところゲーム部と戦うことになる。日程は一週間後。内容とかはそっちで決めとけ。……っと、これで部活設立(仮)だ」


 華黒は申請書を受取り、変わりに別のプリントを良に渡す。


「それに、試合内容を書いて私に出せ」


「分かりました。ではこれで失礼します」


 良たちはそうして職員室を後にした。


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