第8話 新設立!VRゲーム部


「で、部活を作るのはいいんだが、何部を作るんだ?」


場所は引き続き喫茶店。

今は各々が頼んだ料理を食べながら話し合っている。


「ん〜。……ゲーム部でいいんじゃないか?」


快がパスタを食べながら言う。


「いや、ゲーム部ってもうあるだろ?」


良がカツ丼を食べながら言う。


「じゃあ、VR専用のゲーム部とかどうですか?どうせSWOしかやりませんし」


姫がパンケーキを食べながら言う。


「では、VRゲーム部。ということでしょうか?」


剣人がみそ汁をすすりながら言う。


「VRゲーム部。いいな、それでいこう」


良が追加で頼んだプリンを食べながら言う。


「――!我が魔王にお褒めいただき光栄です」


「よし、良が決めたなら決定だな。VRゲーム部反対はないよな?」


快が聞くが当然、誰も反対しない。


「よし、それじゃあVRゲーム部。結成を祝いケーキでも食べるか!」


良が注文しようとした瞬間その裾を引く人物が。


「あの、先輩?」


「どうした姫?ケーキ嫌いだったか?それとももう食えないか?」

 

「いえ、普通に好きですし食べますけど」


「…けど?」


「ここマジで何屋なんですか!?」


あまりにも種類の多い料理にここが本当に喫茶店か疑う姫であった。








_______________________


翌日の朝、良達はある人物と合うため学校の屋上へと向かっていた。


「あの先輩。今更ですけどここの学校屋上閉まってるって聞いたんですけど」


姫は不安そうに良に聞くが良は、


「……そうなのか?」


良は快に向かって言う。


「なんで新入生の姫が知ってて良は知らないんだよ……。確かに屋上には入れないし、入ったって言う話も聞いたことがないな」


快はスマホを操作するが目ぼしい情報はないらしい。


「ですが、空様は屋上で待っていると言っていたのですよね。我が魔王」


「そのはずだ、っと着いたな」


良達の目の前には扉があり、そこからは陽の光が差し込んでいる。


「まぁなんにせよ、開けてみるか」


良は、ドアノブを握りゆっくりとひねる。


「お、開いてる!」 


そのまま扉を押し、屋上へと出る。


扉の先には、ギラギラと輝く太陽と、その太陽の光を反射しキラキラと輝く銀髪。


「おはよう、空」


「おはよ…キョウ」


魔王軍の一人、「天使」のソラがそこにいた。





―――――――――――――――――――


良は空に説明をし、空もVRゲーム部に入ることになった。


「それで、空はなんで屋上に居るんだ?」


「それは、わたしが『成績優秀者』だから」


「成績優秀者?」


良は快に顔を向ける。

そんな良に向けて快はやれやれ、と言った風に話し始める。


「『成績優秀者』って言うのはその名の通り、成績が優秀な者に送られる特別な権利だ」


快はスマホを取り出す。


「その権利にも色々あって、授業や課題の免除、食堂や購買で優先的に物を買う権利などと言った多くの権利がある」


「その中でわたしは、課題を出せば授業免除、教室に行かなくても屋上に行けば出席扱いになる権利を持ってる」


空は学生証を見せながら言う。


「へぇ~、そんな権利があるんですね。私知りませんでした」


「我も存じませんでした」


「全く、うちの連中は」


快が呆れながら言うのであった。







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