【極感謝】★1700記念SS ⑨
「俺は…」
俺はどうしたいんだろう。
何もない。
まるで空っぽだ。
海斗は自分に負けているといったが、その実感はなかった。
海斗は自分が進むべき道を見つけている。愛する彼女もいる。そして、他にも交流する人たちがいるようだ。
でも、自分には何もない。
だからこそ、もうこれ以上失いたくない。
「俺は、奏良を失いたくない」
海斗は微笑んだ。
「それはよかった」
「よかった?」
「僕はね、奏良の両親から子供の時からお世話になっていて恩があるんだ。僕はもう奏良を受け入れることはできないけど、リクが奏良を受け入れてくれるなら安心だ」
「お前はそれでいいのかよ」
「もちろんだよ」
海斗は嬉しそうに言う。
「だから、リクにできる限り協力させてもらいたい」
「協力・・?」
「そう・・・・なぜなら、きっと奏良は・・・」
海斗とリクは閉店間際まで話し合った。
それは、長い付き合いの中で初めて腹を割って話すことができた時間であった。
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