【極感謝】★1700記念SS ②

 ようやく奏良から連絡がきたのは次の日の昼過ぎであった。

 松島リクは、平静を装って会う約束を取り付ける。


 会う約束をしたのは、その週の土曜日。


 待ち合わせをしたカフェ。約束の時間の15分前にリクは店に入ったのであるが、奏良はすでに来ていた。


「ごめん、待った?」

「ううん・・・今来たところ」


 うつむきながら話す奏良の声に元気がない。


「最近、忙しそうだね。前に言っていたテニスサークルで忙しいのかな?」

「ううん。テニスサークルはやめた。今度、映画のサークルに参加してみた」

「へえ、そうなんだ。じゃあこの後映画を見に行く?」


 内心の不安を隠し、リクは平静を装って奏良に提案する。


 しかしながら、奏良はリクの努力に気が付かないのか・・・口を開いて発した言葉。


「ねえ・・・もう、私たち・・・別れない?」


 リクは、息をのんだ。


「え・・・どうして?他に好きな人ができたとか?」

「ううん。そういうわけじゃないけど・・・」

「じゃあ、どうしてなんだ?」

「だって・・・」


 うつむいた奏良の表情を見ることはできない。


「ただ・・・・リクのこと・・・本当に好きかわからなくなったの・・」

「え・・・」



 リクもわかっていたのだ。

 もともと、奏良はリクのことを好きではなかったことに。

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