【超超感謝】★1250記念SS EXTRA

「クソッ・・・」


 小さく・・・しかし、苦々しい表情でスマホの画面を見て小さな声で吐き捨てる。

 スマホの画面に映っているのは、SNSのメッセージ画面。


 ”久しぶり、これから会えない?”という松島リクが海斗に送ったメッセージに対して30分経っても既読が付かない。


 無視されているようで悔しい。


 松島リクと海斗は違う大学に進学した。それからほとんど会うことはできていない。

 高校を卒業するころ、彼女ができたと聞いていた。

 ”卒業しても友達でいよう”という海斗の言葉。


 だけど、大学に入って松島リクは、高校生の時とは全く違う生活に打ちのめされていた。


 大学に入ってまず知ったのは・・・高校の時とは違って”クラス”のようなまとまった集団がないことであった。

 高校のころはクラスの中、または学年の中で成績を競い合うなど順位付けがあった。または、学年の中でより美人を彼女にすることがステータスになったりした。

 その中で、リクは他の生徒に対して競争し勝つことに慣れていた。


 でも、大学では明確な競争がなかった。

 成績が貼り出されることもなければ、クラスのような集団もあいまいだった。

 

 松島リクは、大学に入ってから何を目指せばよいのか・・・自分の価値を見失っていた。


 もちろん、松島リクには奏良という彼女がいることになっている。


 だが、大学に入ってからはなかなか会えていない。

 なんでも、テニスサークルで忙しいとのこと。


「クソッ・・・」


 何もかもうまくいかない。

 こんなこと、高校生の時には全くなかったこと。


 一方で、松島リクは内心わかってきていた。


 自分は、他人に対してマウントを取ることで自己肯定感を感じていたことを。

 なんなら・・・もしかしたら奏良と付き合ったことだって、海斗に対してマウントを取るためだけだったのではないか・・・という疑念を感じていることを・


 大学に入って・・・自分自身の器の小ささを・・・なんとなく感じ始めていた。


 そんな自分に嫌気がさして、誰かと話したくなっていた。

 だから、海斗にメッセージを送ったのだがいつまでたっても既読が付かない。

 

 クソッ


 今日も奏良はサークルのコンパとかで会えないということだ。

 そして海斗ともなかなか連絡が取れない。


 リクはこの間大学でなんとなくできたクラスメートの誘いを思い出していた。


”今度、合コンをするんだけど来ないか?”


 それもいいかもしれないと思っていた。




 リクのメッセージに海斗の返信があったのはそれから2時間後だった。


”ごめん、バイト中だから無理なんだ。また今度”


 そのメッセージを見て、リクは心の中に暗い感情が芽生えることを感じた。


―――――――


 いったんはこれでSSは終わりです。

 中途半端な終わりで申し訳ありません。


 今後の更新は・・・ いつ頃かなぁ・・・

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