【超感謝!】★900記念SS ⑤
「さあ、たくさん食べてください、田舎なんでこんなものしかないですが」
「いえ、とてもおいしいです」
ミキは海斗の祖父母、岳治と弥生に歓迎された。
昼食として田舎料理をふるまってもらう。
ここに来るまで、何を言われるか心配でたまらなかったが歓迎されたことでほっとしている。
昼食後、日本茶をいただきながら・・・
海斗が本題を切り出した。
「それで・・じいちゃん。実はミキさんと一緒に住みたいと思っているんだ。そうすれば家賃や光熱費も節約できるし。どうか、お願いだから許可してもらえないだろうか?」
するとそれまではにこやかだった岳治は急に表情を変え、むすっとした表情となる。
「もしかしたらと思ってたが・・・さすがにまだ早ぐねか?まだ19で未成年だべ。それはどうかと思んだが」
「そことなんとか」
頭を下げて懇願する海斗。
「そんなこと言っても、さすがにダメだべ」
とにべもない返事。
すると、そこまで無言で聞いていた祖母の弥生が岳治に向かって話した。
「そんなこと言って。あんたが、うちに転がり込んできたのも海斗と同じくらいの年だったじゃないか」
それを聞いた岳治は動揺する。
「いや、そんな昔のこと・・」
「東京の大学に行ってたあんたが、夏休みに帰ってきたと思うとどうしても結婚するんだと言ってうちに転がり込んできたんじゃないか。たしかそのとき19歳だった」
「おばあちゃん、そんなことがあったんですか?」
「そうなんだよ。両親もひどく驚いてね。でも結局は、なんとか許してもらって婚約させてもらったんじゃないか。そん時と、かわらんじゃろ」
「いや・・・それは・・・」
岳治は婿養子だった。そのせいか弥生には頭が上がらない。
弥生は、ニンマリ笑った。
「ま、血は争えないってこったね」
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