【超感謝!】★900記念SS ②
次の日、海斗は久しぶりに自宅に帰ってきた。
玄関のドアを開け、中に入る。
空気が澱んでいる。埃っぽい。
慌てて、窓を開け空気を入れ替える。
テーブルの上に、薄く埃が積もっているのが見てとれる。
軽く掃除した後、冷蔵庫を開ける。
ほとんどの食材は賞味期限を大幅に過ぎており、処分しなくてはならなかった。
そもそも、冷蔵庫に電気を入れておく必要があるのだろうか?
そう思ったが、電気を入れておかないと匂いがひどくなると聞いたことがありそのままにしておいた。
その代わり、他の家電機器のコンセントを抜いていく。
炊飯器・電子レンジ・TV。
「はぁ・・・」
これからも、掃除をするために定期的に帰って来ないといけないだろう。
——
「・・・・・・という事があったんでですよ」
ミキさんが美容院に行っている、“いい天気“で待っている間に、常連相手に珍しく愚痴を言ってしまった。
「なんだ、一緒に住んでしまえば解決するんじゃなのかい?」
「一緒に住む・・ですか?ええと、それって同棲という事ですか・・・」
「何を今更。もう、ほとんど同棲しているようなものじゃないか」
「それはそうですけど・・・」
海斗は、うつむき考え込んでしまう。
「何か問題であるのかい?」
考え込む海斗に、常連が不思議そうに聞く。
「そう簡単には・・・今住んでいるアパートって・・・親が契約しているんですよ・・・」
「あぁ、そう言う問題・・・それは色々難しそうだね」
アパートを解約する場合、親に理由を話さないといけない。
そして・・・
場合によっては、ミキさんを紹介しなくてはならないだろう。
海斗は、それを考えると悩んでしまうのである。
「うちは・・・少し特殊な状況ですからね・・・」
「そうか・・・お父さんはまだ入院しているのかい?」
「はい、そうなんです・・・」
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