アフターストーリー③ クリスマスイブ

「メリークリスマス!」

「メリークリスマス」


ニコニコとして嬉しそうな、海斗くん。

今日は、私は頑張って早く帰った!

だって、クリスマスイブ。

予約はたくさん入っていたけれど、なんとか終わらせた!

だって、海斗くんとの初めてのクリスマス。

一緒にお祝いしたいじゃない。

テーブルにはごちそう。

流石にローストチキンは買ってきたものだけど。

サラダやシチューは海斗くんが作っておいてくれた!!

「ごめんね。受験勉強あるのに料理させちゃって」

「いえいえ、シチューは煮込むだけですから。煮込んでいる最中は勉強してましたよ」

う〜ん、健気!

「ありがとう。でも、無理しないでね」

「はい、僕もミキさんとクリスマスをお祝いしたかったですから」

ズキュ〜ンって感じ。

惚れ直しちゃうわ。

「さぁ、食べましょうか」

「はぁい。いただきまーす」

これは・・ほんとに美味しいわ。

「シチュー、とっても美味しい!すごい!」

「ありがとうございます。作ったかいがあります」

そう言って、ニコニコと笑う海斗くん。


うわぁ、素敵!

抱きしめたい!

でも、ガマンガマン・・・

食事が終わるまでは。


「そういえば、友達とはクリスマスのお祝いとかしないの?」

「はい、だってミキさんと一緒に過ごしたいじゃないですか」


実は、それだけが理由ではない。

ミキと交際するようになって、友人とは距離が出来てしまっている。

でも、海斗はそれも仕方ないと考えている。

ミキと・・・その友人たちである、早乙女健司さんや瀬戸美月さん。

彼らと話したりすると、今までと違う観点で世の中を見れるようになってきた。

学校の中だけが世界の全てであるように生活してきたこれまでから、急に広い世界に出てきたように感じている。

今までの自分は本当に子供だったなぁと思うようになっていた。


海斗は本当にミキと交際するようになって良かったと感じている。


食後のデザート。

ミキが買ってきたケーキを、ソファで一緒に食べる。

「はい、海斗くん。あ〜ん」

なんともベタなこと。でも、ミキはやっていたかったのだ。

「いただきます」

そう言って、パクっと食べる海斗。ミキに乗ってあげる。

「じゃあ、今度はこっちの番ですよ。はい。あ〜ん」

「はあい。おいし〜い!」

ミキは本当に幸せそうに食べる。


その間、ミキは海斗に密着していた。

やがて、その手は太ももに置かれて・・

「海斗くん・・ねえ・・」

そう言って、ミキは海斗に顔を向けて目を閉じる。

海斗は、ミキの手に自分の手を重ね、キスをする。

最初はついばむようなキス。

だんだんとそれが濃厚になってゆき・・・


その夜も、ミキと海斗は幸せな夜を過ごしたのであった。

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