第6話 今度は彼女のウチに連れ込まれちゃいました
「こんな時は肉よ!肉食いに行こう!」
相変わらず美人のミキさんは会うなり、元気に言う。
僕の腕を抱えて、ステーキ屋さんに連れて行った。
胸が当たっていてですね・・・あの・・
「さぁ。遠慮なく食べて!社会人におごってもらうチャンスよ」
「え・・いいんですか?」
「学生が遠慮なんかしないの!さぁがっつり食べるよ」
久しぶりにお腹いっぱい肉を食べた。
お店を出て、ミキさんは僕の腕を取って言う。
「さて、じゃあこの後はもちろん」
「はい?」
ミキさんはニッと笑う。
「ウチにおいでよ!」
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ミキさんのマンション。美人の外見そのままにおしゃれな部屋。
女性の部屋に入る経験なんてそうそうない。幼馴染の部屋だってもう何年も入っていないのだから。
「あの、入ってよかったんでしょうか?」
「もちろん海斗クンは大歓迎だよ」
「男性を家に入れたら危ないかもしれませんよ、襲われちゃうとか」
ミキさん、ニヤッと笑って腕を広げる。
「バッチコーイ!」
ごめんなさい、無理です。
「じゃあ、まずお風呂入ってきなよ」
と言われ、バスルームに入ってシャワーを浴び始めたのですけど・・
すぐさま、ミキさんも入ってくるってどういうことですか?
もちろん全裸で。
「え・・えぇ・・」
「にひひ、何をいまさら。背中流すよ~」
「は・・はい・・」
背中にボディシャンプーをつけて洗ってくれる。それと同時にミキさん自身にも・・・
ええ・・・背中に抱き着いて・・ぬるぬると・・
「ミ・・ミキさん?」
「えへへ・・一度やってみたかったんだ。どう?興奮する?」
「ちょ・・やばいですって」
「どれどれ・・おぉ~~」
ちょっと・・・それは・・
そんな僕のを分かってか、ミキさんが耳元でささやく。
「ね・・ベッドに行こうか・・」
「は・・はぃい・・」
せっかくお風呂に入ったのにベッドで汗をかいた後、抱き合いながらミキさんに聞いてみた。
「ミキさん、何も聞かないんですね?」
するとミキさんは優しく微笑んだ。
「海斗クン。言いたくなったら言えばいいの。それまでは聞かないよ?」
ミキさんは優しい。思わず、抱きついてしまう。
「ミキさんに・・・聞いてほしいです」
話し始めると、あっけなかった。なんだか大したことではない気がしてくる。
「幼馴染がいるんですけど、その幼馴染と親友が付き合い始めたんです。
別に、幼馴染に恋愛感情はなかったと思うんですけど、なにかもやもやして」
「へえ」
「その幼馴染とは小学生からの付き合いだから、いつも一緒にいるのが当たり前だと思ってたんでしょうか」
「なんか、やっぱり海斗クンと私ってそっくりだな」
「そっくり?」
にヒヒと笑って、ミキさんは言う。
「私のこと話したよね、親友と気になってる男性が付き合ったって。
その男性に振られたことより、親友を取られたってことの方が悔かったの」
「そうなんですか、親友って女性ですよね」
「女同士でも、自分のものを取られたようで悔しいのよ。恋愛感情はないけどね」
「なるほど・・・」
そうか、きっと僕は奏良のことを僕の物のように思ってたんだ。だから取られて悔しかった。そういうことか。
「だから、海斗クンと私はまったく一緒ね。仲間だわ」
笑いながら抱きしめる。
ミキさんと話していると、心が軽くなっていく。
ちゃぽん・・
またお風呂に入りなおし。湯船にミキさんと一緒につかっている。
「人間関係って難しいですね」
「そうね、だからこそ海斗クンが相手をどう思ってるかじゃないかな?」
肩を抱いてくれる。
「ミキさんて、大人ですね」
「それは違うわよ、大人なんて高校生と大して違わないわよ」
「そうなんですか?」
「大人って、大人の振りができるようになった人のことを言うのよ。
心の中では、みんな戸惑ったり悩んだりしている。いっしょよ」
「ミキさんもですか?」
冗談めかしてニヤッと笑って
「そうよ、まだまだ乙女なんだから」
「それにしても・・・ねえ・・」
「なんですか?」
「ううん・・・なんか、その幼馴染ちゃんって海斗クンのこと好きなんじゃないかな?」
「え?だってもう付き合ってる男がいるんですよ」
「そうだけどね、なにやらそんな気がするの」
「まさか?」
「そうだったらどうする?」
「どうもしませんよ、親友の彼女なんですから」
そうすると、ミキさんは嬉しそうに笑って抱きついてきた。
風呂から上がり。ベッドに二人で抱き合っている。
「僕と、ミキさんてどういう関係かな?まだ会って2日くらいだけど彼女になるの?」
するとミキさんは嬉しそうに笑って抱きしめてくる。
「私、海斗クンが好きよ。好きになっちゃったの。
でも、それだけじゃまだ彼女じゃないかな」
「?」
「彼女になるにはね、魔法の言葉が必要なの。
覚えておいて。女の子はいくつになっても、その言葉を待ってるものよ」
「魔法の言葉ですか?それは?」
「ひ・み・つ。自分で考えてね」
「え~」
「もしかすると、幼馴染ちゃんも待ってたのかもよ」
たぶん、そんなことはない。
ミキさんと話しているうちに、昨日までの(たくさんしちゃった)疲れで、眠りに落ちていった。
眠る前、ミキさんがキスしてくれた気がした。
眠っている間、夢を見た。
過去のこと・・・
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「よう、海斗。ちょっと相談があるんだが、いいかい?」
「うん、リク。どうしたんだ?改まって」
「じつは・・・」
「うん?」
「俺、奏良のこと好きになったかもしれない」
「え・・?」
「それでさ。俺、奏良に告白しようと思ってるんだけど・・・海斗はどう思う?」
「リクは奏良のこと好きなんだ・・」
「うん」
「じゃあ、応援するよ」
「え?」
「だって、リクは奏良のこと好きになったんでしょ?」
「・・・・いいのか?」
「もちろんだとも」
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『奏良:海斗、ちょっと相談していい?』
『どうした?』
『奏良:私、今日リクに告白された』
『そうなんだ・・』
『奏良:それでね、どう返事したらいいかな』
『どうって・・?』
『奏良:どうしよう・・・』
『奏良はリクのことどう思ってるの』
『奏良:嫌いじゃないけど』
『奏良の気持ちで返事すれば?』
『奏良:・・・』
『奏良:わかった』
次の日、リクと奏良は二人で僕のところに来た。付き合うことになったと報告した。
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目が覚める。
横にいるミキさんと目が合った。
「おはよ」
微笑むミキさん。すごく綺麗。
初めて僕の方からミキさんに口づけをした。
あぁ、とてもよく眠れた気がする。
昨日と違って、頭がすっきりしていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
念のために追記しておきますが
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
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