第4話 寝物語
ベッドで、海斗はミキに抱きしめられている。
全裸である。
全裸の上に全身が密着している。
こういう場合、手をどこに置けばいいのか・・と思っていたら、手をつかんで背後に誘導してくれた。
え・・でも、ここお尻ですよね。
触っていいんですか?
するとミキさんも僕のお尻を抱きしめてぐいっと体を密着させてくる。
それに、目の前にあるミキさんの瞳が見つめてくる。恥ずかしい。
「かわいい♡」
とミキさんは微笑んでキスをしてくる。
「あ・・あの・・」
「なぁに?海斗クン」
「ミキさんは・・彼氏でもない人とこんなこと良くするんですか?」
「しないわよ、海斗クンがハジメテよ」
言い方がいちいち、いやらしい。
「え・・じゃあどうして僕と?」
「なんだろう?ビビッと来たのよ。一目ぼれね」
酔っていたのとちょっとタイプなだけだったのである。
しかしながら、彼氏以外とエッチしたことないのは事実である。
「一目ぼれですか・・?」
「そうよ、海斗クンはどんな女の子がタイプなの?」
そんな難しい事。いままで付き合ったこともない海斗には答えられない。
「タイプですか・・?ええと・・・」
「ね・・・私のことどう思う?」
「ミキさんですか?すごく美人と思います」
「うーん、うれしい!ありがとう!」
またキスをしてくる。
海斗は恥ずかしいとおもいながらも、夢のようだとも思っていた。
こんな美人と・・・
「そういえば初めて会ったとき、写真撮ってたわね。趣味なの?」
「趣味というのもあるんですけど、バイトみたいなものです。ネットで素材として売ったりするんです」
「へえ、すごいのね。人を撮ったりするの?」
「いえ、人物は撮ったことないです」
「なら、今度私のこととってよ。ヌードでもいいわよ」
「え・・・ヌードは・・」
顔を赤らめる海斗。
「うーん、そうね。ヌードは海斗クンにしか見せたくないわよね」
「えぇ・・・」
「だから、ここも私だけのものじゃだめ?」
「あっ・・・」
「そういえばミキさん、初めて会ったとき酔ってましたね。なにかあったんですか?」
「えー、それ聞くの?」
「あ・・ごめんなさい、言いたくないのであればいいです」
「そういうわけじゃないけど・・暗くなっちゃだめよ?」
「あ・・はい」
「あのね、振られたわけじゃないんだけど・・ちょっと気になる男性がいたのよ」
「はぁ・・」
「好きっていうか、なんか気になるというか、一緒にいて気分いいとか」
「はぁ・・」
「そしたらさ、なんか私の親友もその人のこと気にいったらしくてね、グイグイ行くのよ」
「・・・」
「それでね、親友が私に相談してきたの。」
”それは・・・”
「それで、相談に乗ってたらね。その親友とその男性が付き合うことになっちゃって。それでやけ酒を飲んじゃったってわけ。まぁ好きになる前だったからいいんだけどさ」
「・・・」
「海斗クン、ほら暗くなっちゃダメって言ったじゃない。ねぇ・・」
気が付くと、僕の頬を涙が伝っていた・・・
「ほら、泣くことなんかないわよ。私は、もう気にしてないんだから」
”違うんだ、いや、同じなんだ”
「だって、もうその親友とその彼氏は仲いいから気にしないことにしたの」
慌てて慰めてくれるミキさん。
「私のことで泣いちゃだめよ」
ごめんなさい
でも・・・それは、僕のことなんだ。
僕もミキさんとまったく一緒なんだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇
念のために追記しておきますが
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
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