青いジャージ(Twitter300字SS)

伴美砂都

青いジャージ

 ひさしぶりに会った真由は目の覚めるような青のタートルネックを着ていて、あの頃と同じベリーショートがよく似合っていた。背が高いから、わたしの小さな軽自動車では狭いんじゃないかと思ってしまう。けれど真由は長い脚を器用に曲げて、サッと助手席に乗り込んだ。


 中学のジャージも鮮やかな青だった。一年のとき先輩に目をつけられて、制服を濡らされてしまったとき。真由が、ジャージを貸してくれたんだった。


 「大丈夫、それ、似合うから、大丈夫」


 真由はそう言ってきっと口を結んだ。意地悪されたのはわたしのはずなのに、真由のほうが泣きそうだった。それ以上、話さずに、一緒に帰った。


 「ね、真由のその服の色」

 「やっぱり、そう思う?」

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