第24話 イベント後の登校日ってなんか……ね

「だっっる。」


時は過ぎて朝になりまして、私こと津原も目覚める時間となりました。こっからの学生はしばらくイベント無く、テストに備える期間が来る。


「進士起きてる?早く食べちゃいなさい。」


「あーい今行きます。」


「とか言ってあんた、二度寝したら起こさないからね。」


母に急かされ着替えもしつつ、本日の準備を進めていく。学生は忙しいなぁ早起きするし、こっから午後まで拘束されるし。


[やあおはよう。]


[どうも七畝さん、お早いですね。]


[学生なら起きてるだろうて。]


[確かに。]


[今日も頑張ろう!]


準備もするメッセージも返す、2つをやるってのは大変だな……いやそこまでだな。ぴしっと制服に着替え下に降りる。


「おはよう。」


「はいおはよう、食べたら片付けといて。」


「あれ母さん出掛けるの?」


「私もただ家にいる訳じゃないの、綺麗に洗うこと。」


「お任せあれ。」


そして出掛ける母。こういう時詮索やら深く聞くのは、いくら親族だろうと嫌だろうな。


「ごちそうさまでした。」


誰もいなくても言ってしまうワードあるよね、まあ食事の始まり終わりはきっちりするタイプ。ちゃんと洗わないと後で文句も嫌だし、丁寧にやるとしますか。

片付けして登校する俺。


「あー良い天気だな。」


快晴の空の下、まだ夏前の空だが暑さはある。日差しに照らされゆっくり歩く、急いだって良いことないからなぁ。


[後ろ。]


「よう朱音、最近よく会うな。」


[元々この道、前は熱々カップルに遠慮してたの。]


「そんな奴らがここを通ってたのか!?朝から目に毒だな、そら道変えるわ。」


[鏡見とけ。]


「つまり元の道に戻っただけか。」


[そゆこと。]


「まあ時間はバラけるだろうし、会った日は会った日ってことで。」


[そうなるね、さすがに毎日はしんどい。]


「傷つくと思ったが、一人の日も欲しい気持ちがめっちゃ分かるから見逃そう。」  


今の俺は一人を絶賛楽しんでいる日々。特に登校ってのはこれから頑張ろうだし、エネルギーを使いたくないもんだろう。教室で会うならまだ良いけど、歩きながら話したりで疲れるもんさ。


「んで、今日の昼俺は何を聞かれるのかしら。」


[もちろん昨日の事。]


「ですよねー。」


[それとあんた、昨日のメッセージは何。]


「昨日……あーあれかな?俺も考えてたんだよ、やっぱりカップ麺は記載より短く」


[邪魔したなって台詞。]


やばい無視された。少し早く開けて硬めがってこだわりあるのに、嘘だろ煮え切らないんだが語らせてくれよ。


「邪魔ってのはまあ、ほら。授業だってのに外で遊べる日によ、俺なんかの心配やら気を使わせて悪かったって意味で。」


[邪魔になってないから。]


「一応謝っといた方が良いとか」

 

[うぬぼれんな、あんた一人の為に楽しくなかったなんて事はない。]


「あっはいすいません。」


朱音さん怖いです。まだメッセージで来てるから良いけど、これ口で言われてその表情もついてきたらビビるぜ。全く女の子がそんな怖い顔しなさんなって。


[昼逃げない事。]


「了解です。」


話してる内に到着した俺たち。クラスは違うんで下駄箱で別れ、各々のクラスに向かう。俺はHRの30分前を目安に動いている。早すぎたら暇だし、遅すぎたら準備ができない。


「あ!おはよう進」


「進士くんおは」


やめてくださいお二方との絡みも慣れてきた。もう諦めなぁ?俺完全に相手する気ないから。やめろその今日も話せたみたいな、話してないから。一方的にボール投げられただけだから。


「相変わらずだな津原。」


「おお華狼か、席近かったっけ?」


「いや自分は二列目だ。」


そういやこのクラス、今だに名前順の座り片してるな。まあテストが終わるくらいに席替えを期待するか。


「わざわざ遠くから、お疲れでしょう。」


「この距離で疲れていたら、登校すらできんのだが。」


「確かに。」


「まあ特に用はないんだ、ただの挨拶と思ってくれ。」


「なんか本当、律儀だよな華狼って。そうだ華狼よ、昼休みってどうしてんの。」


「いつも席で食べているが、何かあるのか?」


「いや昨日の報告会みたいなのがあるから、暇ならどうかと思ったな。一部見てたお前がいると、多少心強いんだが。」


「自分は構わないが……良いのか?そもそも誰に報告するというんだ。」


「友達。」


「津原よ、友達の友達は他人だと言うことを知らんのか。」


わお言われちゃったよ。いや知ってますよ?全く知らない輪の中になんて、かなりの負担をかけてしまうだろう。まあ才太達なら平気だと思いたいが。


「分かってますって。まあ悪い奴らじゃないし、もしかしたら華狼にとって良い食事場所にもなりえる。」


「よく分からんが、まあ付き合うとする。昼に付いていって、昨日の事を話せば良いんだな?」


「そうそう、んでついでに飯食ってくれ。」


「その時が来たら案内してくれ。」


「おう。」


さて味方を増やすことに成功っと。早速メッセージで証人を連れていくと報告し、少しばかり心が安らかになれたぜ。


「おーしお前ら席に座れ、もうチャイム鳴るぞ。」


先生の入室で全員が席に座る。このクラスに不良のような奴もいないし、普通のクラスで助かった。


「さて昨日の今日で全員元気、先生何人か休むと思ってたぞ。それで早速なんだがお知らせだ、もうすぐテスト期間に入る。」


えーと騒ぐ奴、予想しててそうだよなって奴、既に勉強を始めてる余裕な奴と様々な反応。俺?俺はえーって言うよ。


「まあ聞け。夏休み前にやる奴よりは小規模、毎日の予習復習しっかりしとけば何とかなる。だがここで赤点とるのはヤバいから、お前ら頑張れよ。」


そろそろ梅雨に入る今日この頃、我々学生に突きつけられた嫌すぎるイベント。紙に書いた問題の成績で未来がって、この世の中は間違ってるっ!!


「それとこれは注意だ。うちの学校はバイト許可に手続きが必要なのは、初日にみっちり教えたと思う。だが何名か無許可で働いてる学生がいる、お前らにいないと思いたいがちゃんと許可をとれよ。」


「「はーい。」」


働く理由とか場所とか、そこら辺を紙に書くだけなんだがな。まあめんどくさいってのは否定できないが、ちゃんと通すとこ通さないとな。


「それじゃ解散!遅れるなよー。」


最初の授業はっと考えながら、俺もバイト始めるかなぁと思い始める。考えたらこれまでは橘さんに時間割いて、それ以外なんて考えてなかったしな。

ちょっと貯金でもして遊びに行きましょうかね。


さてと1日頑張るか。

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