第5話 俺のこれからを話し合おう
「ごちそうさまでした。」
弁当食べ終わったし、これでお腹一杯夢一杯。さぁて教室に戻って勉強しないと
「「で?」」
[何事なの?]
「え?な、何がですかねハハハ。んじゃあ今日はありが」
ガチャンと、どこか扉が閉まる音がした。高志がにっこり入り口を塞いでるし、才太は椅子を並べて座れって顔してる。朱音?ニヤニヤしてる。なんなら一番腹立つ。
「こんなところにいられるか!俺は教室に戻ってみせるぞ!」
「「はいはい。」」
[面白そうなネタ、逃がさないから。]
「……そんな聞きたい?」
みんなが揃って縦に首を振りました。この瞬間、私の退路は無くなったんだなって。
「はいはいはい。話しますよ話せば良いんだろ?」
「だが進士よ、今だに少し疑っているところだ。」
「そうだぜ!先月までほら、彼女がいるから~デヘヘ……とかってノリ悪かっただろ。」
[あのにやけ面。]
「あー悪かったよ。浮かれてたんだろうけど…でもほら、それは先月だろ?」
「ん?言われてみれば……」
「なんなら最近は暗かったような。」
[まあここで会わなくても、顔を見る時はあったけど。]
「ぶっちゃけるとさ、今月は悩み多き日々だったわけよ。」
さてどっから話すかな……なんで自分の恋愛失敗をこうも語るのか。
「結論から言うと、愛が冷めたんだ。」
「その心は?」
「例えばそうさな。橘さんに側つきみてーに、ほとんど横にいる女子分かるか?」
「浅原さんだよな。学校でもほとんど……お前もいて三人だった?」
「そうさ。カップルが謳歌する青春の真ん中には、浅原がいたわけよ。」
[普段から?]
よーしよし。お前らに浅原のしつこさを説くしかないか…聞いて驚くなよおい!
「学校だけじゃなかったんだよ……全てさ。全てに浅原がいたんだよ。例えばデート!これって男女が共にすごし、その愛を育むわけだ!……んまあ浅原いたけど。他には食事!二人同じ食事を食べて…まあ浅原がそこに。なんならお互いの家!挨拶じゃないけど、知れることって多いよな!まあ」
「「浅原さんが」」
[そこにいたんだね。]
なんだよぉまだ3割くらいなのに。え?お腹一杯?そりゃ仕方ないけど……いいの?まだまだあるよ?ちなみに浅原編だからなーこれなー。
「本当にいいの?」
「……いやすまない、もう充分わかった。」
「いやいや充分じゃないって。ここからが話のさ」
「ま!じ!で!もういいから!」
「勿体ないぞー?ここで切ってさー。」
[うるさい。]
「はいはい。」
「しかし、その話を聞くところだと。浅原さんがいたから嫌になったと?」
「ふっ……それだけなら、俺はもう少し愛があったかもな。」
そう。全ての原因を浅原に押し付けられたらどっっれだけ幸せか。最初は思ったさ。男と二人きりは心配なのかな?とか何かアドバイスをもらうために来てもらってるのかな?とかな。
それにこのままだと、浅原が悪くて橘が被害者と考えられるのもしゃくだ。
「もしも、もしもの仮定の話なんだが。高志!お前に彼女が出来たとしよう。」
「うむ。」
「その彼女とのデート・食事・なんなら下校の場面。ずっと俺がいたらどう思う?しかもこう言うのさ、高志が楽しいのはこっち!高志が好きなのはこの食事」
話の途中なのに高志から熱い拳が飛んできやがった。想像したら嫌だったんだろうなー……と思いながらひらりと避ける。
「す、すまない!つい想像したら……拳が。」
「いや分かるさ。で?どんな感想だ。」
「それは嫌だろう!何故愛するおなごといるのに、そこにお前がいるのだっ!」
「そしたらさ、高志は俺に何て言う?」
「デートの時くらい放っておいてくれ。お前よりも、今はこの人が大事なのだ!」
思わず拍手しちまったぜ。周りをみれば才太も朱音も、その熱すぎる高志の愛に拍手を送っていた。
「す、すっげー感動したぜ高志!まるで今お前の横に、サマルちゃんがいたみたいだ!」
[本当にね。これで2次元好きじゃなければ。]
「うるさいぞ、サマルたんの悪口はよしてほしい。」
「さあさあ皆さん。これが正常だと思うんだが、ここに異論はないか?」
「「続けてどうぞ。」」
[まあどこまでも友達と一緒は、付き合ってると思いがたい。]
よーしよし。こいつらが味方で助かったぜ……朝から色々あったが少しは本音が話せる。
「橘さんは何も言わなかったんだよ。例えば二人で出掛けようと約束するだろ?だが浅原に漏れたのか、恐らく橘さんが言うわけだ。当日三人になる。そこで何も言わない、んで浅原と橘ペアになって俺は後ろ。何も言わない、そして帰る時も浅原と二人で帰る。俺?俺は一人歩いて帰る。学校?常に浅原と橘ペアで俺はオマケ。浅原は俺に橘の事知らなすぎ!とか理不尽だし、橘はそれ見て庇いもしない。」
「進士?少し落ち着きを」
「それにせっかく付き合ったからと名前で呼ぼう!とか思って俺は呼んだんだが、どこまでも名字で呼ぶばっか。告白だって俺からして、好きだってことを何回も伝えたが向こうからは0。唯一覚えがあっても、一緒にいて楽しいくらいか?」
「なあ進士?俺らが悪かったか」
「さらには!俺は向こうの家を知らねえ。いっっつも浅原が邪魔するし、橘は笑ってばっかの人形みてーな奴だし!憧れるよな!?お家デートとかさぁ!俺のしたいことぜっっっんぶ邪魔されて彼女は笑うばっか」
[落ち着け。]
パチンっと頬をはたかれ少しばかり、そう少しだけ冷静を取り戻した俺ちゃん。嫌ねえあの事になると抑えられないわ。
「うん、正直すまんかった。」
「全部読めた気がするので、俺はお前の肩を持つと約束しよう。」
「まっさか橘さんがなぁ……だが!親友をこうも傷つけるとは、俺もお前を持つぜ!」
[皆に同じく。]
「それは助かるぜ。んまあ言うても?別れたしよ、もう何もないだろ。」
「……それは分からん。」
「え?」
「実は昨日なんだが、橘さんと少し話したのだ。津原くんに何かあったかな?と聞かれた。」
「まじで?……実は俺も。津原くん何か言ってたりしたかな?とか。ぶっちゃけそれで今朝の話だから、特に合点がいったんだが。」
[クラスは持ちきり。学園一をフッた理由を、他の女にいったとか男好きだとか好き勝手。]
「待てよ待てよ。お前らが橘と?」
あー……そういや色んな人に聞いたとか。色んな人って何人だ?俺の普段付き合いしてる奴らはこいつらだし……
「なあ。他に橘が誰と話してたか知ってるか?そういや今朝、色んな人に相談したとか言われたんだが。」
「それは不味いのではないか。あの橘さんが聞いて周り、それが進士の事。ひいては自分に落ち度があったか?という質問なら。」
「あの橘さんが付き合ったくらいの噂でいた奴らも、相手が進士だってこと。さらには!それをフッた事すらも……」
[それってやばいの?]
「……なあ、俺これからどうすればいいの?」
1人顔を青ざめた俺が相談する前に、次の授業の時間になっちまった今日この頃。ひとまず後で話すとして、勉強に戻りましたとさ。はぁ……
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