第13話

蓮 side



「もう少しゆっくり……って、言いたいトコだけど……私が居ないのも気まずいかな?」

「え?ああ、うん……」

「覚えていないかもしれないケド……お父さん、かなり嬉しかったみたい。」

「んー?」

「私がね、こうなっちゃったから……諦めてたんだって。私が"恋愛"するのとか(苦笑)」

「あー、そうなんだな……」

「ふふふっ、やっぱり覚えてないのね(苦笑) お父さん、『蓮くん!日陽のコト、よろしくお願いします。』って頭下げてたよ?」

「え?あ、そうなんだな……」

「蓮も『はい、日陽さんのコト……幸せにさせていただきます。』とかって(笑) それでね、真生が『もー、"結婚"の挨拶じゃないんだから(苦笑)』って(笑)」

「え?あー、なんとなーく覚えてる(苦笑) 日陽とお母様、ずっと笑ってたよな(笑)」

「ふふふっ、そうそう(笑) ……あ、じゃあ……私、メイクしてくるね。蓮も歯磨き終わったら、戻ってて。あ、"歯ブラシ"はココに新しいの出しといたから。」

日陽はそう言って、部屋に上がって行った。



日陽 side



ふふふっ、昨日は楽しかったなぁ。蓮が来てくれて、良かった。お父さんの"本音"も聞けたしね(苦笑) お父さん……やっぱ私が"恋愛"とか"結婚"するの諦めてたんだなぁ。そうだよね……私も諦めてたモン(苦笑) 蓮と出会えて、ホント良かった( *´艸`)



「あ、日陽……おかえり。」

と蓮……え?蓮は"食卓"に着いて、"朝ごはん"を食べていた(苦笑)

「日陽んチの"朝ごはん"、美味いのな😋 お母様の"卵焼き"、最高♪」

毎朝みんな 、"パン派"だから……"目玉焼き"なのになぁ(苦笑) 蓮居るから……って、今日は"卵焼き"にしたみたい(苦笑)

「日陽が食べ終わったら、家出よう?"逆方向"だけど……駅まで一緒に行くしさ。」

「ん、待ってね。」

そう言って、急いで"朝ごはん"を食べる。

「よしっ……あ、ちょっと待ってね。お手洗い行ってくる。」

そう言い残して、お手洗いへと移動する。



「あ、蓮……お待たせ。」

「おぅ……じゃあ、出ようか?」

「ん……あ、さすがに時間ヤバいかなぁ?(苦笑) 」

そう言って、鞄を持つと……

「あら、蓮くんも一緒に出るの?」

とお母さんが聞いて来た。

「あ、はい……」

「あら、そうなのね。残念だわぁ……あの人も蓮くんのコト、気に入ってたから残念がるわぁ(苦笑)」

あの人"も"?お母さんも蓮のコト、気に入ってくれたってコトだよね?

「ちょっとー、お父さんとお母さんが蓮のコト……気に入ってくれたのは嬉しいケド、娘は必要じゃないの?」

「ふふふっ、もちろん"ひな"も要るわよ?お父さんなんて、"ひな"のコト……大好きでしょ?"ひな"が入院してたトキなんて、休みのたびに"付きっきり"だったでしょ?私と真生が行くと、先にお父さんが居る……なんてコトが多々あったモノ(笑)」

……それはなんとなーく覚えてる(苦笑) お父さんは朝から来てくれていた。"面会時間"が始まると同時に……私の"リハビリ"にも一緒に来てくれてたモンなぁ(苦笑) 今となっては懐かしい思い出……

「わっ、"遅刻"しちゃうよぉ(苦笑) 行ってきまーす。」

「行ってきます。また来ます。お邪魔しました。」

私と蓮はそう言って、自宅を出た。

「ふぅー、蓮……ありがと。蓮のおかげで、みんな嬉しそうだった。真生の"お眼鏡"にも叶ったみたいよ?」

「ふっ、無事"第一関門"突破ってトコかな?"第二関門"は手強そうだけどな(苦笑)」

あー……

「まぁ、それは置いといて……駅まで一緒に行こ?」

そう言って、蓮とは駅まで一緒した。



莉花 side



「あ……"ひな"、おはよ♪」

と"ひな"に声を掛ける。

「莉花、おはよ。」

「昨日は無事蓮くん送ってくれた?」

「あ、うん。ふふふっ、ってかね……蓮、昨日ウチに泊まったのよ(笑)」

え?

「え?あ、そうなの?」

「うん……真生が強引に誘っちゃってね(苦笑) 蓮ははじめは遠慮してたんだけど、『挨拶だけでも……』って上がってくれて……ウチの父に"ロックオン"されちゃったのよ(苦笑) お酒呑んでてさー(苦笑)」

「あら〜、"ひな"のお父様……お酒好きだもんねぇ🍶 "娘の彼"なんて、絶好の"獲物"よねぇ。」

そう言うと

「"獲物"って、言わないでよ(苦笑) まぁね、蓮が来てくれたおかげで……お父さんの"本音"も聞けたケドね( *´艸`)」

と"ひな"は嬉しそう。

「お父様の"本音"って?」

「え?あ、私が"恋愛"とか"結婚"するの諦めてたんだってさ(苦笑) まぁ……本人が諦めてたんだけどね(苦笑)」

「もー、諦めるのまだ早いって!"ひな"、まだ35でしょ?」

「ん、あー……そうだよね(苦笑) でも、私と"結婚"するヒトは一生"介護"するコトになっちゃうじゃん(苦笑) "子育て"だって、出来ないしさ(苦笑) いろいろ諦めてもらうコトになっちゃうよ……」

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