第5話

蓮 side



『蓮さん、自宅まで送っていただいてありがとうございました。出迎えた母が「なかなかの"好青年"ね✨」って言ってました。夏生さんと莉花がお付き合いするコトになって、"急展開"すぎて、ビックリしました(笑) 明日は……あー、特に予定ないです。蓮さんの帰り時間辺りももちろん空いてます。』やった☆『なら、日陽さんの"最寄り駅"まで行きますので……夜ごはんでもいかがですか?』『はい、楽しみにしてます♪着いたら、ご連絡ください。』



日陽 side



ちょっと!明日蓮さんと2人で会うコトになりましたよ!興奮して、部屋でクッションをバンバン叩く。……と、



コンコン



「はぁい。」



ガチャ



「お姉ちゃん、お風呂上がったよぉー。……ちょっ、何やってんの?」

妹の真生(まう)が声を掛けて来た。そーいえば、夏生さんって……真生と字ぃ似てる(笑)

「んーん、何でもないよぉ。お風呂、次入るね。」

そう言うと

「そーいえばさ、お姉ちゃんのコト送って来てくれたヒトって……彼氏?」

と真生に聞かれた。

「え?どーして知ってんの?アンタ、お風呂入ってたじゃん。」

「さっきね、お母さんに聞いたの。『なかなかの"好青年"』って言ってたよぉ。」

「そっか。違うのよ、ただの友だち(苦笑) 私の同期の莉花覚えてる?莉花も含めて、4人で会ってたの。」

「なんだぁー。そうなんだね。お姉ちゃんが事故ってから、"恋愛"に臆病になってるのなんとなーく気づいてたんだ。お姉ちゃんに彼氏が出来たんなら、良かったなぁと思ったの。」

え?真生も心配してくれてたんだ。

「ご期待に添えず、残念です(苦笑) 今から準備して、入るね。」

「うん、よろしくね。」

そう言って、真生は去って行った。



蓮 side



うわっ、ギリギリになりそうだ(苦笑) 携帯で時間を見て、そう思う。日陽さんと19:00に待ち合わせをしているのに、会社を出たのが18:30(苦笑) 今日に限って、退勤ギリギリに仕事振られるってどうゆうコトだよ?(苦笑)



日陽さんの最寄り駅に着いて、姿を探していると

「蓮さんっ。」

後ろから声を掛けられた。振り向くと……日陽さんで。

「日陽さん……遅れてしまって、すみません。」

「ふふふっ、いえ。まだ18:55です。私が早く来すぎちゃったのかな?(笑) ……あ、お疲れさまです。どちらに入りますか?」

「俺、この駅にはじめて降りたんです(苦笑) 店知らないんで、日陽さんにお任せします。」

「え?あ、じゃあ……あそこにしましょうか?」

そう言われて、案内されたのは……『築地食堂 源ちゃん』だった。

「あ、もしかして……星野源さんのFANだから、ですか?」

「ふふふっ、それもあるんですが……料理が美味しくて( *´艸`) 母や莉花ともたまーに来たりします。」

「あ、そうなんですね。何にしましょうか?」

そう言われて、2人でメニューを見る。注文をしてから、

「そういえば、昨日はビックリしましたねぇ。莉花と夏生さんが……」

と日陽さんに言われた。

「ホントに!莉花さんがあんなコト言い出すとは!」

「莉花……たぶん私に気ぃ遣ってるんです。このまえ莉花が言ってたじゃないですか?」

「ん?何をですか?」

「『こうなってから……"恋愛"に臆病になっていて。』って。昨日同じコト、妹にも言われたんです(苦笑)」

「あ、日陽さん……妹さんもいらっしゃるんですね。」

「あ、はい。そういえば……妹、"真実"の"真"に"生きる"で"真生"(まう)って言うんですけど、なんか字面が夏生さんと似てるんですよね。」

日陽さんにそう言われて、頭の中で思い浮かべる。

「あ、確かに!似てますね。」

「真生、昨日蓮さんに送っていただいたコト……母に聞いたみたいで。『お姉ちゃんに彼氏が出来たんなら、良かったなぁと思ったの。』って、言ってました。」

え?

「……妹さんのご期待に添いますか?」

「え?」

「だーかーら、日陽さん……俺とお付き合いしますか?」

「え?あ、良いんですか?蓮さん、お付き合いされているかたとかいらっしゃらないんですか?」

「ふっ、居たら……こんなコト言いませんって(笑) あ、俺も小林と同じく"1人暮らし"です。」

「え?あ、そうなんですね。」

「まぁ、実家も近いんですケドね(笑) 社会人になって、外に出されました(苦笑)」

「あー、ライオンが子どもを谷底に突き落とすみたいに?🦁」

「その"喩え"はよくわかりませんケド、そんな感じです。因みに俺も妹居ます。」

「へ?あー、だから……お優しいんですね。」

「え?まぁ、妹にはよく怒られますケドね(苦笑) このまえも妹に久々に会ったんで、"挨拶"代わりに『太った?』って聞いたら……怒られちゃいました(笑)」

「わぁー……それは妹さん、怒りますよ(苦笑)」

「今、妹より俺のが痩せてるんで……尚更(苦笑) ……っで、どうしますか?」

「あ、うーん……私で良ければ、お付き合いしてください。」

月本蓮、彼女が出来ました☆



莉花 side



「"ひーな"♪」

「あ、莉花……おはよう。」

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