第9話

俺はモヤモヤしたまま月曜大学に行った。

夢なのか現実なのかはっきりしないまま。


「あ、賢二!」


「おう、省吾。おっはよ〜う!

 お前昨日の電話なんだよ!

 意味わかんねぇつぅの。」


賢二はそう言いケラケラと笑った。


「は?お前俺にホラースポットで

 話題の本屋に行こうって言って

 土曜の夜実際に行ったじゃねぇか。」


「は?本屋?ホラースポット?

 俺そんな話した記憶ねぇぞ。

 そんなところにも行ってねぇ。

 昨日の電話でも言ったが俺は

 バイトに行って直帰して

 疲れてすぐ寝たってば。」


どういうことなんだ?

本当に俺がみた夢だったってことか?

次の休みに少し調べてみるか。

ずっとこのままモヤモヤしたままなのも

嫌だしな。


次の土曜日俺は本屋へ行った。


「確か、、ここだったよな。」


本屋は閉まっていた。

まだ昼間だからか?


地元の図書館に行けばこの本屋が

やっていた頃のこととか色々わかるかも。


あの本屋はとっくの昔に閉まってるな。

今は空き家ってことだよな。

写真がある、、あの本屋の主は

あのおばあさんか!

写真に写るおばあさんはまだ若く

パッとみただけではわからなかった。

ん?隣に写っているのは

おばあさんが言っていた息子?

この息子、、、


俺は夜中の二時に再度本屋を訪れた。

開いている。

この本屋の謎、そしてあの写真のこと。

気になってしまって恐怖など無かった。

扉をゆっくりと開ける。

そこには先週みた景色はなく、

普通の本屋の内装と変わらなかった。


奥のレジがあった場所と思われる所に

おばあさんがいた。


「あぁ。来たかい。」


「俺は一体、、あなたは誰なんですか?」

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