第5話

「人生の、、歩み方?

自己啓発本ってやつか?

 俺こういうの苦手なんだよなぁ。

 まず本自体読まねぇし。」


「とりあえず、中みてみようぜ。

 何かヒントがあるかもしれない。」


二人でヒントを見逃さないように

一ページ一ページ慎重に読み進めた。


賢二が次のページをめくろうとした。


「待った!ここ!これじゃねぇか?」


 [人生時には立ち止まって

      振り返ることも必要だ。]


立ち止まって振り返る?

きた道を振り返れってことか?

ヒントになるようなものなんかあったか?

見落としただけか?

二人の間で沈黙が続く。

しばらくして省吾が口を開いた。


「この本どこにあった?」


「えっと、確か上から三段目の

 左から四番目だったかな。」


振り返る、、、

俺はその場で後ろを向いた。

あの本があったのが上から三段目の

左から四番目ってことは、

真後ろは上から三段目の右から四番目。

これか?

省吾は一冊の本を手に取った。


「なんだよ、省吾。

 何かわかったのか?」


「いや、もしかしてと思ってな。

 この中にヒントがあるかもしれない。」


探偵が主人公のミステリー小説か。

とりあえず読むしかねぇな。


「こんな長いの全部読むのかよ。」


「仕方ないだろ。とりあえずヒントに

 なりそうなものは手当たり次第

 潰してくしかねぇよ。」


賢二は「はぁ。」とため息をついた。

確信はない。

でもヒントになりそうなものは

全部見るしかない。


「これか?ここ!賢二、みてみろよ!」


俺は主人公の探偵のセリフを読み上げた。


[一秒でも過ぎればそれは過去となり、

         戻ることはできない。

  人間前に進むしかないんだよ。]


「今俺たちが進めるのは左か真っ直ぐか。

 これがあってれば真っ直ぐ進め、、

 ってことじゃないのか?」


「すげぇな!

 でも、本当にそれであってんのか?

確信はねぇんたぞ?」


「直感を信じるしかねぇ。

 真っ直ぐ、、」


俺たちは真っ直ぐ続く道をみた。

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